[17]肌が弱いのですが、オススメのスキンケアは?その4

2008年8月17日

いつまで続くか敏感肌問題。いちお今回で最終回にします・・・・
さて、長らくお待たせしました(?)の2)の乾燥性敏感肌について。
前回のおさらいもこめてちょろっと書くと、乾燥性敏感肌とは、肌のバリア機能が低下することで生じる敏感肌のことです。
肌は最外層の角質層で、NMF(主としてアミノ酸)と脂質(主としてセラミド)が水分を保持することで皮膚の保護機能を高めています。これをバリア機能と呼びます。
簡単に言うとNMFやセラミドなどが少なくなると、角質はバリアの機能を低下させてしまい、これによって外的刺激要因が肌に入りやすくなり、肌が過敏に反応してしまう、というのが「乾燥性敏感肌」の仕組みです。
これには2つの要因があって、一般的なのはNMFや脂質の産生能力が低い肌なのですが、肌が薄いためにバリアはあるのに、それ自体が弱い(薄い)というタイプもあるようです。
基本的に乾燥肌で、洗顔後は肌がぱりっとつっぱった感じになるなどが多いよう。首、肘や膝の内側、太ももの付け根など、結節部位にあせものような症状がでやすいというのも特徴です。子供の場合は耳切れといって、耳たぶの付け根が切れてしまうような現象も多いとされています。
ご相談受ける場合、たいていは乾燥肌対策として、なにを塗ったらいいか、と聞かれるのですが、私の場合、その前にまず、どのような洗浄剤(特に洗顔料)を使用しているかをたずねます。
意外なように思えますが、乾燥肌の人でも、洗顔料などに無頓着の人は多くみられます。洗顔の後に、顔が粉ふいちゃうんだよね?、と笑いながら言う人と何人も会いましたが、これなどは完全に洗浄力がオーバーしている証拠。ただ、それを「当たり前のこと」と認識しているので、そこを改善させようという意識がないという人が多いのです。
このメルマガを読んでいらっしゃる方ではびっくりするかもしれませんが、実際に自分の肌の問題を、「これはこういうものだから」と妙に納得して改善を考えない人は多いのです。
実際、上記のような方の場合、いい洗顔料を使ってみると肌の状態が見る見るよくなり、今まではなんだったんだ、となる方が多いのです。
洗顔料は、液体やクリームタイプだと、必要以上に量を使ってしまう可能性があるので、なるべく固形石鹸を使い、しっかり泡立てて泡だけで洗うようにします。肌の状態がイマイチの場合は、泡を肌に乗せて、軽く押すようにして、すぐに洗い流すという方法でも大丈夫です。
洗顔大国日本には、様々な技術を駆使した洗顔料があって、たとえば↓の会社の石鹸では、角質層への洗浄剤進入を考慮しているという、ほんまにそんなことが可能なのか、とおもってしまうようなものまであります(本当らしいです)。
http://www.tob.co.jp/prod_tech_macromicel.html
乾燥性の敏感肌で、もうひとつ重要なのは保湿剤による肌の保護です。
NMFやセラミドの生産能力が低い肌の場合(アトピー性皮膚炎の方に特に多い)これらの成分を補うことが重要になります。なので、アミノ酸やセラミドを配合したクリームか乳液を使いましょう。特に、結節部位ではしっかり使うことで、トラブルが生じにくくなるという報告もあります。赤ちゃんの肌などではてきめん効果が出るようです。
ここで注意しないといけないのは、セラミドは非常に乳化が難しい成分であるということです。なので、たくさん配合しようとすると、乳化剤を特殊なものにするなど、処方が特殊になってしまい、それが肌のトラブルを招くことがあります。
アミノ酸は基本的に水に溶けるので、さほど配合は難しくないのですが、セラミドは上記のような特徴があるので、セラミド入りの製品の場合は慎重に使用するよう気をつけてください。かつてセラミドの含有量は高いが、皮膚刺激率もえらく高いという、たいへんこまった商品の説明を聞いたことがあります。
一方、肌が薄い方の場合、オススメしたいのはクリーム。それも肌を保護する作用の高いものがオススメです。尿素入りとか、保湿と保護を同時に行うタイプもありますが、保湿(肌に浸透する)ものと保護(浸透しない)ものは別々に使ったほうが効果は高いようです。
アトピー性皮膚炎など、病的な乾燥肌の治療の一環で、水風呂に入って、肌を水でふやかしたところに、大量のワセリンを全身に塗布し、その上からTシャツなどをすぐに着るというケアをしている病院の報告を見たことがあります。
ワセリンは刺激のない(純度の高いものに限ります。医療用より化粧品用のほうが不純物の割合が少ないといわれています)保護剤ですが、肌に浸透しないので、水分を補給することはできません。なので、水分がある状態で上から蓋をしよう、という考え方。
肌の薄い人の場合は、この方法が適しているかと思います。
夏の真っ盛りに保湿剤の話は・・・という方もいらっしゃると思いますが、乾燥肌や、これら乾燥性敏感肌の方では、汗が肌に刺激を与え、痒くなったり、赤くなったりということが頻繁に起こります。身近でそんな人がいたら、ぜひこのメルマガ紹介してみてくださいね(ちょっとCM(笑))
トミナガ☆マコト
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