[01]化粧水はなぜ必要なの?

2008年4月13日

はじめまして。トミナガ☆マコトです。
化粧品の世界に足を踏み入れて10年以上。
裏も表も、製造の現場も、販売の現場も見てきました。そんななかで、お客様や、お客様に接するBAさんや営業さんからいろいろな質問をいただき、回答をしてきました。このメルマガでは、そんな、実際にいただいた質問について、皆様にも紹介しながら、きれいになるヒントを差し上げられたらと思っています。どうぞ、気軽にお付き合いください。
さて、記念すべき第一回は「化粧水」。
みなさん、ほとんどの方が毎日使っていますよね?
使い方は、ばしゃばしゃ振りかける人から、コットンで丁寧にパッティングする方、ティッシュにしみこませてパックとして使う方など、さまざまです。でも、日本で最も使用量が多いのが化粧水ともいえます。
化粧水の役割は、ブランドやメーカーによって少しずつ異なりますが、大雑把には「肌に水分を与え、潤いを保つ」というのが大原則。確かに、化粧水を使うと、肌はしっとりして落ち着いたような感じになります。
でも、乾燥肌の人の中には、化粧水をいくら使っても、その後に美容液や乳液、クリームなどをしっかり使用しないと、肌が徐々に乾燥してしまうという経験をされた方は多いのではないでしょうか?
実は、化粧水は保湿作用が低いので、保湿ケアとしての有効性は低いという意見があります。化粧水は大体90%以上が水分ですが、そのほとんどは蒸発してしまい、肌に吸収されていないため、肌の潤いケアには役立たないと言うのです。
これは、化粧水の処方によっても違うので、一概に断定することはできませんが実際に、化粧水の保湿力は、クリームや乳液に比べると低く、よほど保湿力がある化粧水か、肌がそれほど保湿ケアを必要としていない場合以外、つまり乾燥肌などではあまり役に立たないことも多いのです。
では、なぜ化粧水を使うのでしょう?
化粧水の効能は、保湿以外にも以下のようなものが挙げられています。
1)パッティングによる肌の活性化
コットンやティッシュにたっぷり含ませて、100回以上パッティングするという、ちょっとめんどくさいスキンケアを推奨する方がありますが、毎日やるのはオススメできませんが、実際に100回以上のパッティングは肌の状態を劇的に変えます。暇なときに試してみると、毛穴は目立たなくなり肌はモチモチとして、びっくりするような状態に。
高価な美容液やマスクを使ったときに、まれに出会える肌状態が、ずっと安価な化粧水で実現できるので、これはびっくりします。この使用方法は化粧水にしかできません。
2)次に来る美容液などの成分を導入する
美容液や美容クリームなどを肌に浸透させる場合、化粧水を事前に使用しておくと、浸透が良くなるという説があります。確かに、ブランドの指示通りに使用すると、美容液などのなじみがよくなり、肌の状態もよくなる感じがあります。また、最近では資生堂などで、美容成分を導入するという目的のプレ化粧水なるものも発売され始めました。ただ、実際には、すべての化粧水でこうした現象が起こるわけではなく、あまり期待しすぎるのはよくありません。
化粧水→美容液もしくは乳液→クリームといった、サラサラしたものから濃い感触のものへ、と続けるスキンケアの流れは、肌へのなじみがよく気持ちよいお手入れが可能になるというメリットはあります。気持ちいいから良し、というくらいで、あまり過剰な期待をしないほうがいいかもしれません。
肌が乾燥すると、お客様は真っ先に化粧水を考えられるようですが、実際にはクレンジングや洗顔料が肌の乾燥に与える影響が大きいので、こちらを検討されるのが正しい対処法です。
実際、洗顔の時点で肌を乾燥させなければ化粧水は必要ない、という考え方から、スキンケアラインから化粧水を外し洗顔後に、すぐ美容液や保湿ジェルを使うというブランドも増えてきました。
化粧水無しのスキンケアは、最初は抵抗があるようですが、慣れると違和感ないということで、むしろ美容液成分の浸透が早く、肌の状態はむしろ良いという人もあります。
私個人としては、化粧水を使わないほうが、朝のスキンケアは面倒が無くてよいと思い、実際そうしているのですが、夜や、ここ一番というときに、100回パッティングをして肌を生まれ変わらせるのはやめられません。なので、私にとっての化粧水は、日常のスキンケアではなく、スペシャルなケアになっています。そんな人が、これから増えてくるかもしれませんね。
トミナガ☆マコト