[22]シワ対策の化粧品について知りたい その4
これで終わりますから、お付き合いくださいね??(汗)
シワ対策の第4弾です。
前回は、表情ジワについて書きました。シワ対策化粧品のはずが、ボトックスの話に終始してしまった感があり、ちょっと反省(今、美容形成関係の原稿を書いているもので、つい白熱してしまいます。このネタも近いうちに・・・)
今回は、表情ジワに対応する化粧品についてです。
ボトックスの世間的な認知が広がったころ、化粧品業界ではアルジルリンという成分が注目されました。ペプチドの一種ですが、ボトックス同様に神経伝達物質を阻害することで、筋肉の動きを阻害する効果があるとされています。
http://beauty-bank.net/products/botox2.html
↑ショッピングサイトなので、部分的に「?」な表現もありますが、わかりやすいので、参考までに。
ちなみにアルジルリンの正式名称はアセチルヘキサペプチド?3といいます。
ボトックスが筋肉を動かなくさせる仕組みは簡単です。筋肉は、神経細胞の間を情報伝達物質が行き来することで動きます。ボトックスは、この物質の受容体をブロックして神経間を情報が行き来できなくするのです。
アルジルリンの説明を見ると、これと似たようなことを行うとされていて、実際長期間使用するとかなりの効果が出るとも言われています。また、アルジルリンのあとに「オクラ種子エキス」という成分が発売され、これもペプチドが主な作用物質なのですが、同じく筋肉の動きを止める働きがあるとされています。
このオクラの方は、実際にデモ映像を見せてもらったのですが、電流が流れてぴくぴく動いていた筋肉細胞が、数滴のオクラ種子エキスで麻痺したように動かなくなったのにはびっくりしました。また、この効果は10時間くらいで消えるとのことで、実際、ビデオでは数時間後にはまた動き出す筋肉細胞を見せてくれました。
最近の化粧品科学は、こんなとこまで来たのか、とちょっと感慨深い一瞬でした。
もっとも、どちらの成分にも問題点はあります。
示されたデータでは、かなり高い効果をあげているのですが、では実際のところ肌に塗布して筋肉までしっかり届くのか、といわれたら、それはかなり疑問です。ペプチドのような、比較的分子量のしっかりしたものが、表皮、基底層、真皮を抜け、脂肪層の下の筋肉まで到達するのか。これには根強い反対意見があります。
正直、私自身、そこまでの浸透力があるとは考えにくいと思います。
もっとも一部では毛穴から入るという説もあり、これであれば深くまで届くこともあるかもしれませんが、やはり限度はあります。
実験データでは、シワの改善にかなりの効果が出ているのですが、これもペプチドがコラーゲン生成を促進したから、肌のハリに効果を及ぼしたから、という見方もでき、表情筋への影響によってシワ改善ができたかどうかをきちんと示したものでは無いようです。
まあ、シワ改善効果があるのなら、作用機序はどうでもいいのかもしれませんが。
このほかにも、シワ対策としては筋肉マッサージやリンパマッサージによるむくみの予防。冷温マッサージによる血行促進。十分な睡眠など、様々な要素がありますが、とりあえずそれはまたいずれ。
最後に、ここまでシワ対策についてつらつら書いておいてなんですが、私個人は、きちんと年輪を重ねたシワは美しく、時にキュートだと思います。
よく、私見として、美しく年を重ねた方は誰だと思いますか?という質問を受けるのですが、私は故人としては作家の宇野千代さんを。現在であれば、緒方貞子さんをあげています。
どちらもお顔にはくっきりとシワがあり、老人性の色素斑やたるみも目立ちます。でも、それらはお二人の人生を記したものであり、それらがお顔のアクセントになって、お二人のキュートな感じを際立たせているように思うのです。
生前の宇野千代さんが、頬紅を指して顔をくしゃくしゃにして笑う姿をテレビで拝見したことがありますが、こうした美しく可愛らしいシワなら、むしろ積極的に刻みたいと思ったものでした。
緒方さんにしても、あのシワや白髪があるからこそ、厳しい物言いをされても、どこかやさしさがにじみ出る、あの不思議な雰囲気を作れているのではないかなと思います。なので、むやみにシワを気にして、躍起になるのはやめていただきたいと、思ってしまうのです。
トミナガ☆マコト