[55]本格的な整形手術のお話

2009年7月31日

化粧品関連のメルマガのはずが、どこまでも軌道を外れてしまうので、今回は、ほんとにさわりだけ。
前回のお話で出てきた「プチ整形」は、ここ数年で広がってきたもので、ボトックスを使われるようになってから一般的になってきた言葉なのではないかと思います。
「プチ整形」について正式な定義はたぶんないと思いますが、一般的には「メスを使用しない(注射で行える)」「時間が経つと元に戻る、もしくは、抜糸などによりもとに戻せる」というのが一つの定義なのではないかなと。
これに対して、メスを使い、骨を削ったり脂肪をそぎ落としたり、詰め物をしたりして顔や身体を変えるのを本格的な「整形手術」と言っています。
切ったり、削ったり、詰めたり、様々ですが、大きく分けると、顔や身体を作り変えて別の美しさをもたらす「造型」的な手術と、シワやたるみをとり若々しい顔に戻す「若返り手術」に分けられるのではないかと思います。
このメルマガは化粧品をメインにしていますので、ここではあまり細かく説明することは避けますが、たとえば額の上の皮を切って、顔全体を持ち上げることでシワやたるみを軽減させる手術や、下唇の内側を切って、あごの骨を削るなど、聞くだけで痛そうな話がたくさんあります。
たとえば、顎の先にシリコンを入れる手術をすると、頬のたるみや、顎のたるみがとれ、シャープな輪郭線が作れます。これと、耳の後ろの皮を切り取って、その分を「縫い縮める」と、若々しく、すっきりした顎の線が作れます。
顔の整形手術は、このように、かなり「縫い物」的発想で顔をいじってしまうことが多いのですが、引っ張って縫い縮めるので、表情が失われていくのが困ったところ。米国の整形手術事情について女性のジャーナリストが書いた「ビューティージャンキー」という本でも、表情を失い、ビニールの人形のようになってしまった女性に会ったというようなことが書かれています。
整形手術の困った点は、依存しやすいという点にもあります。
一度手術をしてしまうと、何度でもやりたくなるのが整形手術の困ったところで。前述の本が「ジャンキー(中毒者)」という言葉を使っていることもわかります。
本当に腕のいい医者にお願いすること。医師とじっくり相談すること。その手術が本当に自分に必要であるかどうか、じっくり検証すること。何度も繰り返すことにならないように、十分に検討すること。などが事前に必要です。
整形手術というと、以前は非常にハードルが高く、ある種のタブー的な受け取られ方をしていたかと思いますが、最近はそうでもなくなってきました。これは、前述の「プチ整形」が整形手術の高いハードルの前に「踏み板」にように挟まり、飛び越えやすくしてしまったのではないか、という指摘をした美容ライターがいました。
高い化粧品や高価なエステで、効果の出ないケアを繰り返すくらいなら、手術に踏み切ったほうがいいと、私は思います。が、それは、かなり慎重になさっていただくべきである、とも思います。
トミナガ☆マコト