[06]ナンピン買い

2019年4月14日

保有株が値下りしてしまった時の対処方法の3つめが「ナンピン買い」です。漢字では「難平買い」と書くそうです。漢字からして難しそうです。

ナンピン買いについて書こうと思っていたら「株で暮らす!?Part1」のCANE様が第22回で「ナンピン地獄」を書かれていたので内容を変更しようと考えましたが、前号で予告していましたので、おさらいのつもりで読んで下さい。

株価1,000円の株を1,000枚購入した後に、株価が500円まで下落したら、評価損は50万円になります。株価500円のところで、もう1,000枚購入すると平均収得価格は750円になります。3,000枚の購入だと平均収得価格は625円まで下がります。

平均収得価格は下がるものの、1,000枚の追加購入でも、3,000枚の追加購入でも評価損は50万円のまま。

追加購入した後、順調に株価が上がれば、ナンピン買いをしなかった場合では株価が1,000円を超えるまで評価損ですが、ナンピン買いをして平均収得価格を下げれば1,000枚で750円、3,000枚なら625円を超えれば利益が出ます。

しかし、もし株価が500円より、さらに下がって400円になったら・・・ナンピン買いをしなければ60万円の評価損ですが、1,000枚追加していた場合は70万円のマイナス。3,000枚なら90万円の損失になってしまうのです。

株の格言に「下手なナンピン、スカンピン」「下手なナンピン、損の上塗り」などがありますように、計算上では合理的に見えるナンピン買いですが、安易に行うと大損する事になりかねません。

私も5月に150万円以上の損切りをしました。その内の7割くらいがナンピン買いの連続で損失が膨らんだものでした。

相場全体が上昇トレンドであり、その銘柄も上昇トレンドの中であると、余程自信の有る場合以外は避けたほうが無難かと思います。

数多くの投資家や、株の専門家にもファンの多い「さわかみファンド」を運用している「さわかみ投信株式会社」の代表者で澤上篤人という人がいます。

以前、雑誌か新聞で澤上篤人氏の対談を読んだ事があります。ファンドの運用で長年利益を出し続けている、投資哲学とかの内容でした。

投資する銘柄の選択は、世間で騒がれているような情報などで判断はしない。その企業が社会の為に何をしようとしているのか。その企業理念に賛同できて投資したいと思う企業の株を買う。株価が下がったら喜んで買い増しする。

というような内容でした。ファンドの運用益は出し続けているが、会社は黒字になるまで数年かかったと。すばらしい投資哲学を実行して、結果も出す。自分のところは赤字でも投資家の利益は守る。

最近話題沸騰の「村◯ファンド」とは大違いだなぁー、と感じます。

しかし潤沢な資金があり、長期投資で利益を出す「さわかみファンド」と個人投資家では、同じ手法は不可能。買い増ししても資金に余裕があり、値上りするまで長期間待てるファンド。資金の余裕も、時間も待てない個人投資家。

投資哲学や手法は勉強になりますが、大きな投資ファンドの真似はできない。自分に合った投資方法を見付けて行うほうが賢明でしょう。

小倉エビス