第6回 政局展望(自信なし)

2019年12月8日

森総理のクビが危なくなってきた。今週は政治の週になる。今回は急遽政治ネタを書く。政治に疎い僕の予想は以下の通り。
不信任提出→成立

僅差で成立なら総選挙、大差で可決なら内閣総辞職というのが総理の腹。だが内閣総辞職なら不信任賛成に回った連中で加藤首班指名ということになろう。自民としてはそれも避けたい。加藤としても自民を出てまで目先の総裁のイスはほしくない。となると、この時点で自民が大分裂を起こすか、あるいは血で血を洗ってでも選挙をやるか。下野する気力はないだろうが、無意味な選挙をする元気もない。選挙に至らせない隠し球を加藤が持っているような気もする。

僕がどうしてもわからないのは、なぜ加藤がこの時期に造反したかである。確かに年末に選挙はやりにくいから政権の禅譲はあるかもしれない。

ずいぶん前に、死んだ小渕と加藤との間には密約があると聞いた事がある。つまり小渕の後は加藤という線が決まっていたにもかかわらず、小渕の死で森達がそれを反故にした。あせって加藤が森の支持率下降を見て決起したというシナリオはそれなりにわかりやすい。

でもそれでもやっぱり解せない。森は自滅していくのは明白だった、ほっておけば自滅するのをなぜ加藤が待てなかったのか。それはポスト森の動きの中で弾き出されたからなんだろうが、ならなぜいきなり党外との連携を前面に出すのか。腐っても加藤は保守のプリンスだ。リスクをとるべき政治家ではない。

加藤が軽はずみに事を起こすはずがない。単に野党と共闘できうるという保証だけでは行動しない。必ず自民内外のかなり幅広い勢力の協力を取り付けているはずだ。それは党単位ではなく、もっと個人的な横のつながりも強いだろう。でもそうなれば自民党自体が解体されてしまうぐらいのインパクトがある。加藤はそこまでやるつもりで、そしてその勝算があったからこそ決起したのではないか。単なるジリ貧の打開策だとは思えない。

もう一つ言えば、単に数がそろったのではなく、新たな時代を拓くためのビジョンが加藤にはあるのではないか。その使命感が決起に駆り立てたのではないか、と勝手に思う。

政治評論家の矢野が、「加藤の造反は自民党の終わりの始まり」と言った。評論家の言うことはだいたいあてにならないのだが、20世紀最後の1カ月は、本当に日本の20世紀をしめくくるものになるかもしれない。

2000.11.19