[45]ビタミンC誘導体とは??(3)

2009年5月6日

いよいよだれに向かって発信しているのか解りにくくなってきたこのメルマガ。前回は化学的な話が多かったので、ちょっとぐったりされた方もいらっしゃると思います。ごめんなさい。
ただ、ビタミンC誘導体や、ビタミンCそのもののお話をする際には、化学の話は避けて通れないので。
とはいえ、ユーザーの立場で、成分の化学構造なんか知っていても、あんまり役には立たないので、今回は具体的に、今市場に出回っているビタミンC誘導体について、その特徴とか欠点とかをさらっと説明しましょう。
ちなみに、ビタミンC誘導体の成分名には「アスコルビル」もしくは「アスコルビン酸」という名称が出てきますが、これはビタミンCの正式な化学名称です。
◆リン酸アスコルビン酸Mg
おそらく日本で一番汎用されている(もしかしたら「いた」かもしれませんが)ビタミンC誘導体です。10年前くらいまでは、ほぼビタミンC誘導体といったら、ほぼ100%これでした。
肌の中で分解される速度が速く、すばやく有効性を示すという特徴があります。かなり大掛かりで詳しい有効性試験のデータがあり、その有効性には疑いが、ありません。
しかし、反面、肌への吸収率が低い、反応性が高すぎて持続性が無い、反応性の高さゆえに、肌の中でビタミンC濃度が上がりすぎ、毒性を示す、などの意見も見られ、現在ではあまり評価が高いとはいえません。
とはいえ、使用実績が高く、安全性や有効性において最も信用できる成分であることは間違いないでしょう。
ちなみにNaというのもあります(Mgはマグネシウム、Naはナトリウムのことです)が、水に溶けにくい上、水溶液での安定性が低いらしく、あまり使用されていません。ただ、Naの方が肌に入りやすいという説もあります。
◆テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VCIP)
これを舌をかまずにさらりと言ってのけてこそ、化粧品のプロです(←ウソです)。この長ったらしい名前のビタミンC誘導体は、一般にVCIPで知られています。最近開発された誘導体で、油溶性ビタミンCとして知られています。
ビタミンCも、これまでのビタミンC誘導体も、すべて水溶性という特徴がありました。そのため、肌に浸透しにくいという指摘が合ったわけです。また、ビタミンCの特徴として、高濃度にするとキシミ感が出るというものがあり、浸透しないなら、高濃度にすれば浸透するだろう、という安易な考えの化粧品開発者を悩ませていました。
VCIPは油っぽい感触をしているので、高濃度でもキシミ感が出ません。また、油に溶けるので、現在のビタミンC誘導体の中では、もっとも浸透性が良いという人もいます。また、分解速度も速く、効果が現れるのもかなり早いという特徴があります。
ただ、一方で、反応性が高すぎるため、失活までの時間が短い。高すぎる反応性のためビタミンCが高濃度になりすぎる。などの指摘もあり、また、実際の化粧品での使用実績が少ないため、その安全性などに対するデータの少なさを指摘する技術者もいます。
以前は部外品の主剤にはならず、そのため実際の美白効果のデータなどが不十分だったのですが、最近主剤の認可を得たということなので、これから広く使われるようになるのでしょう。
ちょっと長くなってきたので、次に続きます。

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トミナガ☆マコト
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