第123回■■株で儲かりすぎた人
ご存知の方も多いと思うが、12月23日の夕方、名古屋のテレビ塔の上から1ドル札が空に舞ったニュースには、色々な発見があった。約5千枚のドル札が、高さ約100メートルのテレビ塔展望台から降ってきて、ちょっとした騒ぎだったらしい。
この騒動の主は26歳の男性。本人曰く「株で儲かりすぎた。金がありすぎて人生つまらない」。で、「儲けを市民に還元しよう」と、100万円を空港などで両替して、紙袋に詰めてテレビ塔の上からばら撒いたという。
この人、無職となっており、株で生計を立てているらしいのだが、「ほんとうに株で暮らしている人がいるんだ!」というのが発見その1。なぜだかわからないが、ほのかに嬉しかった。ヘンだろうか。
彼はドルだけでなく、ネットオークションで買った100円札も持参していたようだ。なるほど、100万円を1万円札で持っていたら100枚だけど、1ドル札や百円札だったら1万枚になる。それはそれはばら撒き甲斐があることだろう。私もこういう機会があったら(?)小額紙幣を沢山用意しよう、と思った。これが発見その2。
そして「株で儲かりすぎた」という憎いセリフ。儲かりすぎる人もいるのだ、というのが第3の発見。はぁ。私はいくら儲けたら、自分は「儲かりすぎた」と感じるのか、試してみたいものである。 会社でこのニュースが話題になった時は、「そんな金があるならオレ(私)にくれ!!」という感想を言わない人はなかった(私もそう思う)。ま、そうでなくても、使い道に困ったお金はどこかへ寄付する、というのが社会的に誰もが認める「正しい道」だろう。
しかし、塔の上から花咲かじいさんよろしく、右へ、左へと景気良くばっさばっさとお札をばら撒きたくなる気持ちも、なんとなくわかるような気がする。「人生つまらない」という沈んだ気持ちも、札をばら撒くのと一緒に吹き飛ばしてしまいたかったのではないだろうか・・・・。「お金があっても結局むなしかったんだよ」なんて言うつもりはないけど、ま、嫌なことやむしゃくしゃすることはお金の有無に関係なくありますわな。
誰にでも、吹き飛ばしてしまいたいことも、そうでないこともあった1年だったと思いますが、嫌なことを札に託してばら撒けない私は、うまい酒と料理で発散しながら、来年もごく普通に楽しい年であることを祈りつつ年越しをしたいと思っております。
来年も、赤字ながらも株とメルマガは細々と続けていくので、どうぞ引き続きよろしくお願いします。
2003.12.26