第10回■■銘柄を選ぶポイント

2019年4月8日

人事異動の季節である。私の職場はほとんどが4月1日異動。先日異動の内示があった。私も年度変わって週明けからは別の部署に配属されることになった。新しいクラスに行く時のような、ちょっと落ち着かない気分だ。

自分が異動になったからというわけでもないが、私も人事課長になったつもりで現在株価登録(目を付けている銘柄を登録しておくと一目で株価その他の情報がわかるサービス。My Yahoo!でもできます)している銘柄を入れ替えてみた。この銘柄はよく働いてくれた、この銘柄は愛着がある、この銘柄はしばらく様子を見てみたい、この銘柄はもう少し下がったら買ってみよう・・・。それぞれの銘柄を自分なりに勤務評定をして銘柄移動をしたのである。

前回書いたように、薄利多売買で取引をしている私。銘柄も出来るだけ短期で利益を確定しやすいもの、という視点で選んでいる。といっても選び方は実に単純。用意するのは赤鉛筆と新聞の株式欄だけ。

新聞の株式欄を見ると、始値、最高値、最安値、終値、前日比、そして出来高が載っている。当初私は、自分の目当ての株が前日の終値に比べていくら上がったり下がったりしているかだけに目を奪われていたが、最高値と最安値を見ているとこの二つにかなり幅がある銘柄、逆にほとんど動きのない銘柄があることに気づいた。またこれは、おおむね出来高に比例している。取引が多ければ一日の中での値動きが激しく、逆ならば比較的動きが少ない。

例えば半年後、一年後の株価を予想するのは私にはとても出来ない。長期的に企業の成長を予測することは最初から諦めていた。だから出来るだけ短期間に、たとえ千円でも2千円でも良いから上がったら売ってしまう方法を選んだのだ。最高値と最安値の幅がある銘柄は、一日のうちで上下が激しいわけで、一日のうちに、もしくは超短期間に、安く買って高く売れる可能性を秘めている。

例えば一日で最高値と最安値の幅が30円あるような銘柄があるとする。もし最安値で買って最高値で売り抜けられたら(一度も成功したことはないけど)、わずか1000株でも3万円の利益。もちろん手数料と税は別途引かれるが、話の都合上細かいことは無視。3万円、なくすことはあっても拾うことは滅多にない。宝くじだってなかなか300円以上は当たらない。時給1000円のところでバイトしたって30時間働かないともらえない。と考えると、クリック一つで一日3万円というのはかなりおいしい。

と言いつつも、実際は3千円の利益を確定するために手に汗握る毎日である。

2001.03.30
◆CANE