第37回■■不透明感

2019年5月1日

日経平均も1万円台を回復したりして、同時多発テロでがくんと下がった株価も底を打ったような、でもまだまだこれから油断ができないような、なんとも先が見えない秋である。毎日すかっとした秋晴れが続いるのに、株のことはまったくの不透明。心も曇りがちでいまいち冴えない毎日を送っている。株価とともに私の気分も低調なのだ。

冴えないのは株のせいばかりではない。目前に迫った出張準備に追われているせいもあるのだ。「追われている」とえらそうにいうほどいろいろ準備があるわけでもないのだが、どうも渦中にいるとあれもこれもと焦ってしまい、空回りして無駄なエネルギーばかり使っているような気がする。出発3日前にイェルサレム発のロシア機が爆発したりして、どうも気分がよろしくない。今回の行き先はモスクワなのだ。

今回いろいろ手配を頼んでいる旅行代理店は、ロシア機爆発のニュースについて、「ロシア領空しか飛ばないから大丈夫(アエロフロートを利用する)。自分の国の飛行機を打ち落とす国なんてないから。こんなことよくあるけど、僕は全然心配してないよ」と妙に説得力のある理由をつけてからからと笑い飛ばしていた。「僕は心配してない」って、そりゃああんたが行くワケじゃないんだから・・・と私は電話のこちらでため息。「セキュリティはかなり厳しくなっているから大丈夫」と言われてもX線で感知できない素材の爆弾とか、あるかもしれないし。

私は大体いつもはわりと行き当たりばったり、何かあってもそれは運命だからしょーがない、とわりと運命受容型。株もあまり深く考えず下がるに任せてぼんやり塩づけしているのだが、今回のロシア行きばかりはどうも後ろ向き思考で、マイナス思考がさらにまたマイナスを呼んで悪循環になっているのが自分でもよくわかる。こういう下へ下へと落ちていくような思考の流れを変えるには、がらっと環境を変えたりして、物理的に自分を違う場所へ持っていくことが一番、ということは今までの経験から実証済みである。

ということはやっぱり飛行機に乗って違う国へ行くというのはいいことなのだろうか・・・??なんだか鶏と卵みたいな話になってきた。

ま、というわけでとにかく行って来ます。

2001.10.07
◆CANE