第98回■■「利益750円」のとらえ方

2019年10月18日

前の週の月曜日に99円で買った6000株。100円で売れるのをじっと待ち続けること7日目にして、とうとう売れた。買うときと売るときそれぞれに2625円ずつ手数料がかかっているため、手元へは750円。

その翌日、会社の廊下で株トモであるS子に偶然会った。会うのは久々だったので、最近の取引成果などを語ろうと思い、「最近どう?」とふってみたら、S子は「もう、ぜーんぜん株興味ナシ!」と、心底こりごりという声で叫んでいた。

それでも一応「CANEどうなの?」と聞き返したS子。さすが、女同士の会話の礼儀をよくわきまえている。「自分が話したいこと」を、まず相手に質問の形で投げかけてみるのは、私のように気の弱い女子が良くつかう手だ。当然その後に「で、○子は?」と聞き返されることを前提にしている。ただし、たまに外されるとストレスたまる。ともかく、S子は礼儀正しく聞き返してくれたので私は喜んで750円の儲け話をした。

するとS子は「んまぁお気の毒!」といった表情で私を見つめた。「750円なんて・・・ランチ一回分にもならないね」とため息混じりにつぶやき、「ま、結局株って儲からないようにできてるんだよねー。じゃ!」と言って明るくエレベーターに乗り込んで行ってしまった。

S子はランチ1回分にもならないと言っていたが、社食で揚げ物三昧(衣だけは厚いので満腹感は得られる)の高カロリー低栄養ランチなら2食分だもんね!とおなかの中で負け惜しみしながらも、確かに株で「儲けた」という言葉が似合うのは、何十万、せめて何万の単位だろうなぁと私も思う。別に「750円も儲かったの!?すごーい」なんて言ってもらおうなんて期待していたわけではないのだが・・・。なにかやるせなさを感じてしまった。750円に似合う言葉は「拾った」くらいか。それだってなかなか落ちてないけど。店員がおつりを間違えたら750円くらい余分にもらえそうだ。この場合なら「得した」だろうか。

そんな複雑な思いを抱えながら帰宅すると、母が満期になった定期預金のお知らせを無表情に見ていた。「300万円1年間預けて利子480円。あほらし」それを聞きながら私は「60万円に1週間で750円も利子が付いた」と考えることにした。不思議なもので、これで750円のありがたみが一層増す感じがするのである。

■■口座状況■■
◎保有株
(銘柄コード・銘柄・保有株数・平均取得単価・直近の終値)
9202全日空・3000株・406円・240円

◎今週の損益
750円

◎余剰資金
798,306円

2003.04.01
◆CANE