第29回■■買ってしまった「株で勝つ」

2019年4月14日

ピーター・リンチ著「株で勝つ 新版」ダイヤモンド社税抜き1800円也を購入。

本屋の株・財テクコーナーでは、「必ず儲かるオンライントレード」「株で優雅に暮らす方法」云々、読んだら即刻儲かりそうなタイトルが棚をにぎわせている。もしも、これらのタイトル通りのことが本当に起こるなら、自分の周りに「株で優雅に暮らす」人や、「必ず儲かるオンライントレード」をやっている人がもっといてもいいはず。そもそも、「必ず儲かる方法」を知っているのなら、わざわざそんなこと本にしてまで人に教えずに、一人で儲けて何食わぬ顔しているのが人情というものでしょう。

というわけで、私は1000円出してその類の本を買うくらいなら株資金に回した方がまし、と考えて今までずっと立ち読みですませてきたのであった。それなのに、なぜ今回は購入にまで至ってしまったのだろうか。

理由は簡単、「株に行き詰まっているから」である。パラパラとめくってみたところ、今までの自分のやり方と正反対のことが書いてあって妙に心に残ったのが本書。立ち読みしていったんはその場を離れたものの、それから1週間、ずっと気になり続けてとうとう買ってしまった。ワラにもすがる思いで掴んだのがたまたまこの本だったというわけだが、ワラでなく意外にも救命ボートだった、てなことになったら万々歳、とはかない期待を抱きつつ読みすすめることにする。

リンチ翁(1944年生まれなので翁と呼ぶには若すぎるのだが、見事な総白髪なのでそう呼ばせていただく)は、「確かな1銘柄はよくわからない10銘柄にも勝る、とにかく企業を研究し尽くせ!!」とおっしゃる。「地元の企業のことはウォール街よりもあなたの方がよく知っているのだ、優良銘柄を見つけるチャンスは思いがけないところに転がっている」と激励までされたりして。

通勤電車の中でその部分を読んでいた私はすかさず本をカバンにしまい、窓の外を眺めて「これは」と思う企業を探しながら電車に揺られることにした。しかし、ぽつぽつと建ち並ぶ民家と青々とした田んぼや畑の間を駆け抜ける地方の私鉄に乗っている限り、なかなかヒントは得られない。企業のキの字も見つけられないまま、気になったのは里芋畑の様子。今年は雨不足なので、里芋の葉っぱが半分くらい黄色く枯れ果てているのだ。今年は里芋が高いことは間違いない。好物の豚汁に里芋は必須なんだがなぁと思いながら里芋畑チェックをしているうちに、下車駅に着いてしまった。

2001.08.10
◆CANE