第17回■■2000年11月の戦果-せっせと売買

2019年4月10日

前々回、前回と2回連続で確定申告についての嘆きを聞いていただいたところ、読者の方から多数アドバイスやご意見を頂戴した。この場を借りてお礼を申し上げます。いただいたアドバイスにもあったのだが、「給与所得者が申告分離課税を選んだ場合、20万円の利益までは申告不要」ということを一点付け加えておきたい。私がその情報を知ったタイミングは最悪で、2000年12月も終わろうとしていた時期だった。利益は税込みで30万を上回っていた。

税金は年度でなく暦年で決算だから、12月で締めとなる。利益調整に残された時間は約1週間。何とか今から損失を出してトータルの利益を20万以内に押さえられないかとも思ったが、儲けるのが難しいのと同じように、狙った額をぴたりと損させるのも難しい。それより何より、わざわざ損するように売注文を出すなんてもったいなくて、私にはどうしてもできなかった。

そんなわけで私の2000年の利益は20万円をオーバーしてしまったのだ。振り返ってみるとオーバーした原因は11月のがんばりにあった。今回はそんな11月の戦果である。

これまでの日興ビーンズ一筋から東洋証券にも新たに口座を開き、11月から月額一万円の手数料で売買しほうだいコースを申し込んだ私は、この時を待っていた。何度売買しても定額なら売買数が多いほど得になる。私は今まで以上に燃えていた。

初めての売買から3ヶ月が過ぎ、ちょうど株取引そのものにも慣れた頃であったのだろうか。注文時のびくびくも少し薄れてきて、取引にのめり込んだ結果11月は買って売ってを8往復。月額利益は8万8千円(税込み)。ここでまた「12ヶ月この調子でできれば、年収100万(税込み)近い!」と捕らぬ狸の皮算用をしたことは言うまでもない。

参考までに売買銘柄は以下の通り。左から順に、銘柄(購入株数)、買値→売値、利益(税込み)である。

コナミ(100)    8,940→9,100 +16,000
コナミ(100)    8,990→9,240 +25,000
大林組(2000)     455→  458 + 6,000
コナミ(100)    8,850→9,000 +15,000
電気化学工業(3000)  400→  404 +12,000
コナミ(100)    8,750→8,830 + 8,000
全日空(3000)     352→  354 + 6,000
日本航空(1000)    473→  473       0

売買真っ最中は頭に血が上っているが、こうしてある程度時間を経て戦いを振り返ってみるとなかなか面白い。「同じ柳の下にドジョウはいない」というが、今振り返ると11月の私は2匹目、3匹目のドジョウを求めてコナミを盛んに売買していたようだ。そこそこ利益になっていたことに今さらながらビックリである。日本航空も、上がり方がよろしくなかったためか、さっさと売っている。利益0円でも何の気兼ねもなく売り払えるのは、定額手数料の強みだろう。また、ダメなものはダメと見切る潔さも必須である。

相場にもよると思うが、やはり「こまめに売買」は大きなポイントだ。一回の利益が少ないだけに、どれだけ回数が稼げるかが勝負どころと言えよう。ちなみに現在は、2001年1月に初めての大損をして(2001年1月の戦果編をどうぞお楽しみに)ちょっと恐怖心が出たため、全然回数をこなせなくなってしまった。

6月からは、更に手数料の安いコスモ証券の定額コース(よりによって私が始めようとした6月から、新料金体系とかで値上がり通告が来た)に乗り換えたので、また気分も新たに売買につとめたいと思っている。相場を眺めてブツブツ言っているだけでは損もしないが儲けにもならない。持っていない株はいくら値上がりしても売れない。とにもかくにも株を買わないことにはなにも始まらないのである。

2001.05.18
◆CANE