第13回■■2000年9月の戦果-一夜にして・・・

2019年4月8日

忘れもしない2000年9月28日。株歴約1ヶ月の私をとんでもない出来事が襲った。

その日たまたま仕事が休みだった私は、朝からパソコン部屋にこもって日興ビーンズのページを見ていた。9月もほぼ終わりだったが、指値すればほぼ100%約定するほど好調だった8月のツキはどこへやら。

「420円までは下がるだろ」、と思って420円で買注文を出しても、最安値が421円で止まってしまい買えない。「430円までは上がってね!」と祈りつつ430円で売注文を出すも429円で力尽きて売れない。妙に欲が出てきたのか何なのか、とにかく指値の読みがハズレ続きで、約定できないことの方が多かった。幸い損はしていないものの、売買回数は少なく、あまり動きのない月で終わりそうだった。

時計を見ると9時1分前。間もなく取引開始である。リアルタイムで株価が表示される株価ボードに画面を切り替えた。昨日買ったばかりの日産株をチェックするためだ。その前日、私は530円で日産を1000株買っていた。

「下がってたらイヤだなー。上がるまで電話つなぎっぱなしにしておこ」と思いながら日産の株価を見てみると、値が付いていない。現在の値を表示する欄に数字が入ってないのだ。代わりに「(特)」という漢字が貼り付いている。

予想もしない異常事態、何が起こったの日産。私の530円X1000株は水の泡?(特)って何だ、と思いながら用語集で調べてみると、どうやら(特)は「買い手(あるいは売り手)ばっかりついちゃって値が付かない状態」につくらしい。株価は売りたい人と買いたい人の需給関係で決まるから、どちらかが圧倒的に多いと値が付かないわけだ。

何ともラッキーなことに、この時の日産の(特)は、買い手ばっかりついちゃう方の(特)だった。そのことを確認した私は、口から泡を吹きながら急いで成行売注文をクリック。後にも先にもあんなに焦ったことはない。売り注文を確認、実行、間髪入れずに約定照会したらもう売れていた。635円で売れていた。

「(635-530)X1000=105,000円!!!」もう私の両目は¥マークである。PC立ち上げてクリックしただけで10万円。世の中、こんなことがあっていいんだろうか。「明日も明後日もこんなことが続いたら、もう仕事なんてあほらしくて行けない・・・」と真剣に心配になる。

ともかく滅多にないラッキーが起こったのだ。日産さまさまである。もし車を買うことがあれば必ず日産!ありがたくいただこう10万円。「でもここから税金引かれるからまるまる10万円ではないよね」と冷静に手取り額を計算したその時。

私はいつもの習慣で申告分離を自動的に選択していた。105,000円の儲けから26%の税金を引かれると手取りは77,700円。が、この時ばかりは源泉分離にしておく方がお得だったと言うことに気がついたのだ。源泉ならば、税金は約定金額635,000円に1.05%をかけたわずか6,667円也。10万円弱の手取りがあったことになる。約2万円も違うのだ。

税金額が低くなる方法についてはしつこく研究したはずなのに、我を失った私には何の役にも立たなかったのである・・・。

2001.04.20
◆CANE