[10]先生しっかりしてください!!
いつも通り診察を受けていいた時のことです。雑談の中で「何か最近気になっていることはありますか?」と聞かれたので、「鼻血が良く出る事くらいです。」と軽く返したのですが、G先生の顔色が変わり急に真面目ムード。G先生は「量とか時間はどれくらいですか?」と質問。「止まるまでに10分くらいかかるので量は結構多いほうかもしれません。」と回答。すると「頻度は?」と続けて質問。「1日2、3回くらいです。」と回答。さらに真剣顔になるG先生。「血液検査をしましょう。うちでも、採血できますけどほかの内科の病院へ行ってやってきていただいても結構です。その代わり、他の病院で採血検査をした場合、結果をもらってきて見せてください。どうします?」とおっしゃいました。そんな・・・・。わざわざ他の病院まで行って採血するのめんどくさいよ・・・・。ここでできるならここでするさ。と思い、「じゃー、ここでお願いします」と答えました。
さて、いつもは受付にいる優しいお姉さんを呼び、採血の準備です。採血は注射器タイプではなく試験管タイプでした。消毒をして、先生は何故かデスクに腰掛けてやる気満々です・・・・。私の腕は白い事もあって血管が良く見えると色んな病院で評判(?)です。採血で何か手間を取らせてしまったなどの経験はありません。
採血開始。試験管3本を取るとのこと。1本目。刺したのは良いのですが・・・血液出ず・・・・。ん?って顔を私と受付のお姉さんがしていると、G先生が「ちょっと痛いかもしれないけどごめんね?」と笑顔でおっしゃり針をグリグリ・・・。「い・・・痛いっす・・・。」と思いつつ試験管を見ているとようやく出てきました。ホッとしました。
2本目。順調に出続けます。あっさり終了。
3本目。試験管を設置した瞬間。ピタッと止まる私の血液。嫌な予感・・・。何も言わずにG先生は針をグリグリ・・・・「い・・・痛てーって・・・・。大体、1、2目とこの3本目血液の色違いますけど良いのですか?」なんて無粋な事は聞けませんでした。
何とか3本とって終了。
うーん・・・。やはり精神科の先生は内科とか外科とかと違って採血下手なんだなぁ・・・・。先生も精神科ではあるけど医者は医者なんだから・・・ちょっとしっかりしてよー!受付のお姉さんの方が上手そうだったぞ・・・・(看護士の免許持ってるか知らないけど)なんて呑気に構えていたのですが・・・。その後この採血が理由でとんでもない目に・・・・。
採血が済んだ後、じんわりと痛くてそっちの腕だけ寒いという変な状態が続いていましたが、注射とかの後はじんわり痛いのも少し痣が出来るのも何時もの事だと思っていました。普通、2,3日でな治るでしょ?ってな感じで呑気に構えてました。
採血から1週間ほどした時、痣は消えるどころか広がっていて、若干腫れてきました。内心自分の腕を見ながら焦っていました。黄色と紫、青、赤の斑模様のような腕・・・。気持ち悪っ!!腕曲げたりすると鈍く痛いし・・・。まぁ・・・いいや。ほっとこう(こういう人です)。
ある日の仕事場で暑かったため腕まくりで仕事をしていました。すると、私の腕の異変に気づく職場の皆様。「どうしたの!?」と驚きながら聞かれ、理由を話す(精神科でというのはふせて)とまた二重に驚いてくださいました(笑)。直ぐに医者へ行ったほうが良いといわれたのですが、仕事もありますし、第一そのうち治るから大丈夫!という根拠の無い自信を持っていてなかなか行かない私を見かねて、とうとう上司命令で行かされました。
とぼとぼと病院へ向かいました。初めての病院へ。診察室へ呼ばれ中に入るとはきはきとした女医さんが。事情を話してから腕を見せると、大変驚いていらっしゃいました。第一声目が「うっそーーー!?」ですもの(笑)。「うちの看護婦たちだってもっと上手にやるわよぉー!」ともおっしゃってました。
G先生には口が裂けても言えません・・・。女医さんの診察いわく、やはりあのグリグリがいけなかったようで、腕の中で内出血が酷く起きている状態らしいです。とりあえず、熱ももってしまっていたため冷やしましょうと、シップを貼ってくださいました。シップが取れないようにテープで止めようとしてくださったのですが、あいにくテープが品切れ・・・(病院なのに品切れいいのか?)。とりあえず、包帯を巻いておさえてくれました。
会社に戻り、上司と心配してくださった方々へ報告。初めは包帯ぐるぐるの腕を見て、大変心配してましたが、テープのことを話すと安心したこともあってか大爆笑でした。
その後、しばらくして腕はきれいに治りました。良かったです。あのままだったらどうしようかと・・・・。いや、手首はもともとボロボロなんですが・・・・。でもあんな斑模様は嫌だ!!血液検査の結果は、赤血球が足りないと結果の数値に赤ボールペンでくるくると5周くらい囲いながら強く強調。酷い貧血状態だそうです(当たり前っす)。
採血検査は違う病院で。良い教訓になりましたよ(泣)。
岩倉 玲