[05]病気と恋愛

2018年8月5日

私は高校1年生の6月から翌年の1月までにかけて、付き合っていた男性がいました。高校生になりたての5月に私にメールアドレスをきいてきた私の元彼は、背は高いほうではなく、特別かっこいい人でもない、ごく普通の男子高校生です。知り合って仲良くなり、約1ヶ月後、交際が始まりました。
7ヶ月の間、私は幸せで幸せでずっとずーっと笑っていました。毎日が短すぎて、彼と一緒にいる時間が短すぎて、私は「もっと時間が進むのが遅ければいいのに」とまで思っていました。
夏は二人でお祭りに行き、浴衣を着て花火を見に行きました。冬は遊園地に行き、ジェットコースターやお化け屋敷に入り、子供のように無邪気にはしゃぎました。あんなに笑えたのは彼の前だからで、彼のことが真剣に好きだったことを証明します。
そして、12月頃から私の精神状態が悪くなり、リストカットも再発。彼には言えませんでした。再発してしまったことも、私が過去に自傷癖があったことも…。もちろん隠しとおすことなんか無理です。ついにバレてしまったとき、彼は私を全否定しました。「そんなに死にたかったら死んだらいい」「俺にはわからない」
それが当たり前なのかもしれません…。でもわかってほしかったのです。大好きな人ですから…。そして1月、私は彼にふられました。私はそれを引き金にもっともっと状態が悪くなりました。自分を虐げる日々。涙を流す日々。笑えなくなって無表情で過ごす日々…。急に一人になった私は、世界中でたった一人、どこかに投げ出されたような、そんな孤独感に襲われました。「私がリストカットなんかしていなければ今も仲良く一緒にいられたのかな…病気のせいで私はふられたのかな…。」そんなことを悶々と考えていました。
でも違います、きっと。彼は私が病気だからふったのではない。リストカットをしているからふったのではないと思います。私の弱さや甘さに愛想をつかせてふったのだと思います。…そう信じたいのです。もし仮に、病気だから私のことをふったのだとしたら、私はもう誰かとお付き合いする自信をなくすでしょう…。
病気の私。傷だらけの私。誰からにも愛されなくなってしまうのではないか…そんな不安。私は彼にふられて精神状態が悪化し、鬱も激しくなりました。でも決して彼は悪くありません。私が弱いのです。ただ、それだけ。いつか笑って彼とのことを話せるようになればいいなと思っています。
今は辛すぎる思い出。でもきっと何年後かには「いい思い出」として私の記憶に残るでしょうね。「病気なんて関係ないよ。人を好きになることに条件なんてない」と、将来私と似たような人に出会ったときには言いたいです。
燕 弥子

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