[07]テニスと鬱(1)
私は今テニス部に所属しています。テニスを始めたのは小学校5年生のときです。市内のテニススクールに硬式テニスを習いに通っていました。そして中学校に入学するとともにテニススクールを辞め、中学の軟式テニス部に入部しました。中学校には軟式しかないので…。
そのときはまだ中学校生活への期待やら希望やらでワクワクホクホクしていましたから、心はそれほど病んでいませんでした。部活では、フォームは少し違うにしろ、硬式をならっていた甲斐があり軟式テニスにもすぐになじめました。
そして2年生、3年生になり、私の精神状態は悪くなり始めました。自傷行為も始まり、部活での私は暗い暗い部員でした。
私が部長になり、みんなを引っ張って行かなければならなかったのですが、私のことを部長だと認めない人たちから嫌がらせを受け、精神状態はズタボロ。
「私は部長だから部活を休んではいけない」という固定概念から、嫌でも部活に行っていました。しかし行くたびに受ける嫌がらせ。ボールをあてられたり、大きい声でわざと聞こえるように悪口を言われたりと、いじめとは言いたくないけれど、そう言っても決しておかしくはないことをされていました。
部活が終わるとすぐにトイレに駆け込み、愛用カッターで腕をザクザク。泣きながらひたすら自分を虐げていました。私の精神状態は悪くなる一方で、それがテニスにも影響してきました。
3年生の夏。もうすぐ引退試合というときになっても嫌がらせは続き、先生も気付いていたようでした。技術も落ち、心も体もボロボロでした。顧問の先生に「お前の精神状態が悪いからあんなにいいサーブも入らなくなったじゃないか。」とハッキリ言われ、自信をなくし、引退試合では当然のごとく負けて帰ってきました。
そして引越しとともに転校を決意し、2年と3ヶ月通いつづけた中学校とおさらばしたのです。そのとき「もうテニスなんかやらない」とかたく誓ったのです。
そして夏休みが明け、転入した中学校での体育の時間にテニスをすることになりました。ラケットを握り、ボールを打つと、なんだか懐かしい気分になり、夢中になっている私がいました。「テニスをしていて、つらいことや悲しいこともたくさんあった。でも私はやっぱりテニスが好きなんだ。」自分の思いにやっと気付いた私は、高校でもテニスを続けることを決意したのです。
パート2に続きます。読んでくださりありがとうございます☆
燕 弥子