第18回■■2000年12月の戦果-暴落に呆然

2019年4月11日

手数料定額にチャレンジして一ヶ月目の11月、思いのほか調子が良かったことに気をよくした私は、鼻息も荒く12月の幕開けを迎えた。

12月も上旬まではそこそこいい感じであった。銘柄は以下の通り。
左から順に、銘柄(購入株数)、買値→売値、利益(税込み)である。
大林組(2000) 496→505 +18,000
全日空(1000) 370→375 + 5,000
大林組(2000) 497→510 +26,000

「短期で利益を確定する」作戦がなかなかうまくいっており、8月からここまでの私は負け知らず。買値と同じ値段で売ったことが一度だけあったが、それ以外はたとえ千円でも必ず利益を出しており、連戦連勝、破竹の勢いであった。保有期間はどんなに長くても1週間前後。さっさと利益を確定して売り払うことが出来ていた。

ところで、12月に入ってからそれとなくマークしていた日産が、やや下げトレンドに入ってきた。日産と言えば9月に約10万円もいい思いをさせてもらった私の中の優良株である。

日産はそれまでの700円台前半から600円台の後半にまで落ちてきていた。私の中ではもうすっかり「日産=ラッキー銘柄」と刷り込まれている。機会があればまた買ってみたいと思いつつも、700円台になってからはなかなか手が出せないでいた。それが600円台の後半にまでやってきた。これくらいなら何とか買えそうである。

しかしどこまで待てばいいのか。今日見送ってもう少し安くなるのを待ったが最後、明日一気に上がってしまうかもしれない。とは言っても、今日買っておいて明日さらに下がったらもっとショックだ。読めない動きにピリピリする。底値で買うのは無理、とわかっていても底値を狙ってしまう欲深い自分。

12月15日金曜日。私は日産を669円で2000株買った。底値でないかもしれないのは仕方ないけど、出来るだけ早く底を打ってすぐ上がってくれ、と願うような気持ちで週末を過ごす。週が明けたらきっと、今までが嘘のような右肩上がりのチャートになるはず、と期待して月曜日を待つ。

しかし、祈りもむなしく週が明けてから月、火、水、と株価は順調にがくんがくんと下がっていった。木曜日にはとうとう600円すら割り込んで596円をマーク。こんな時に限って2000株ご購入である。普段通り1000株にしておけば良かったと思っても後の祭り。その翌週の頭に600円台の後半まで戻したものの、タイミング悪く注文出していなかったため売れず。それから12月いっぱいずっと、650円を切るあたりで足踏みが続く。

それまでの私は、こんな風に自分が買った瞬間から株価がどんどん値を下げていく経験がなかった。幸か不幸か、それから幾度かこういう経験をするチャンスに恵まれてので今では少々慣れてきて、「まーたか」とやり過ごすこともできる。一通りいろんな局面を経験しておくことはやはり意味がある。と今はしたり顔で語れるのだが、初めての時というのはとにかく勝手が分からない。この時もかなり精神的にきつかった。

もうこの株、一生上がらないんじゃないの・・・もう売ってしまって他の株で挽回しようか・・・でも損を出すのは腹が立つ・・・今までが連勝だっただけに妙なプライドが邪魔をする。毎日毎日含み損を計算しては泣き暮らしていた。その昔、私は母が含み損を計算してはぎゃーぎゃー言っているのを「売るまでは損が確定したわけではないからうるさく騒がないで欲しい」と冷静に諭したものだが、それと同一人物とは思えない取り乱しようであった。

損切りするにも決心が付かず、私は含み損を抱えたまま21世紀に勝負を持ち越すことにした。

2001.05.25
◆CANE