苗場に春スキーを堪能しに行った。宿は苗場プリンスホテル。2泊3日の行程だけど苗場に行ったらやはり宿は豪勢にプリンスホテルがいい。周辺にはペンションやロッヂもあるが、できればプリンスホテル。それだけの価値がある。

今年45周年を迎える苗場プリンスホテルは、しかし往年の豪華さは今は無い。ラジオでも安売りパックを宣伝しているし、その割には客は少なかった。それでも泊り客はいいとこのファミリーという感じで品のよさが漂う。安売りをしているといってもそこそこの客は来ているようだ。また春スキーともなるとある程度スキーマニアといえるようで、ボーダーも極端に少ないのが特長。

苗場プリンスホテル付属のレストランは数多くあるがメインダイニングはフランス料理のボーセジュールである。3号館に位置し、スキーウェアやスキー靴、ジャージなどでは入店できない格調の高さを保つ。男性はできればネクタイにジャケットはほしいところ。スキー場だけどそういう店である。ここは完全予約制で、禁煙席のみである。

このボーセジュールは同じ西武系列のホテル大箱根(だいはこね)の料理長が受け持っている。「苗場」だけど「大箱根」なのである。料理はアラカルトもあるが7500円のフルコースがメイン。今回は7500円の「きぶし」と5500円の「やまゆり」をチョイスした。「きぶし」は肉料理と魚料理の両方が付いているが「やまゆり」のほうは肉料理のみコースで、他は大差ない。

「やまゆり」¥5,500
・彩食賢美、各種オードブルの盛り合わせ
・本日のお薦めスープ
・美味創作、牛フィレ肉のステーキチーズ包み焼き
・新鮮野菜サラダ
・お楽しみご飯(たけのこご飯)
・ボーセジュール特選デザート
・コーヒーまたは紅茶

「きぶし」¥7,500
・気品と華麗なロマンのオードブル
・本日のお薦めスープ
・本日入荷のお魚料理
・伝統の逸品、牛フィレ肉のソテークレピネット包み
・新鮮野菜サラダ
・お楽しみご飯(たけのこご飯)
・ボーセジュール特選デザート
・コーヒーまたは紅茶

料理は確かに格調高く豪華で洗練されている。素材も確かにいいものを使っている。しかしやはり7,500円は高いような気がした。なにもボーセジュールが悪いといっているわけではなく、他の料理店が本格フランス料理を安くする努力をしている昨今これでいいのか?という思いなのである。

例えば、ホームページでも紹介しているイクスピアリのアリス食堂。ここは味だけでなく見栄えも非常に吟味されていて一種芸術品といっていい料理が出てくる。しかも安い。石鍋アリスだけでなく、不況の世の中で生きていくために2500~4000円も出せば有名店でもフルコースが食せるご時世である。その点ボーセジュールは努力を忘れているように思えるのだ。

それを裏付けるかのように、夕食時の客は我らを含め3グループのみであった。これでは商売にならないのではないか?ちなみにワールドカップロッヂ側に在る「かに道楽」も覗いて見たが、こちらは1時間以上のウェイティングが入っていて満席であった。苗場プリンスホテルのなかでさえ盛者必衰を見る思いである。

2002/04/07

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