以前、元気寿司の高級版「千両」を訪問し、あまり良くは書かなかった。それでは片手落ちなので同じ元気寿司チェーンの廉価版「すしおんど」を訪問してみた。元々小型の「元気寿司」を改装して「すしおんど」に衣替えしたので狭さが気になったが、最新の「すしおんど」店舗は極めて大型である。元気寿司を改装したところ小規模店のレポートではちょっと外しているかもしれないが、何卒ご容赦願いたい。
元気寿司は前にも述べたように、価格帯を分けて顧客層を分離し、廉価版の「すしおんど」、従来型の「元気寿司」、より高級志向の「千両」の三形態で営業している。その中の「すしおんど」は100円オンリーの回転寿司。当然利益幅が少ないため大型店で客数を稼ぐ店になっている。
「千両」と比較すればやはりネタの質は落ちる。しかしウニやイクラなどの高級ネタも100円でがんばっており、その他にも穴子、ロコアワビ、サンマ、など旬のネタもあり、決して不味くはない。「千両」では職人(風?)の従業員が手でシャリを握っていたが「すしおんど」では寿司ロボットが握る。しかし回転寿司に食べに来て職人が握ろうがロボットが握ろうがそんなことあまり気にする人はいないだろう。気になるのはネタだけなのだ。
「千両」に比べウェイティングも半端ではない。日曜祭日はあきらめて帰ってしまう客が多い反面、じっと粘り待ち客も目に付く。やはり安さは魅力だ。お持ち帰りの客が多いのも立派なものだ。売上的には「千両」より「すしおんど」のほうが上であろう。問題はどこで利益を出すかだ。
今回5人で訪問したが、全部で56皿。つまりお会計は5,600円である。5人で寿司食って5,600円はやはり破格に安い。これが「千両」だと1万円は軽く超えてしまう。1万円も出せば結構美味しいものを出す飲食店は多く、イタリアン、中華、和食など選択肢もある。しかし5人で5,600円で収まるのは100円回転寿司しかない。
ということは、差別化競争の原理からして、元気寿司のやるべきことはやはり100円回転寿司といえる。楽して儲けるなら100円回転寿司である。これに精進する限り元気寿司は安泰なのであり、せっかく上場した株価も安定するってもんであります。
2002/10/13