今年の夏ほどカキ氷に縁が無かった年は無い。とにかく冷夏だった。海水浴関係やエアコン家電関係をはじめ、夏商戦はかなり不発に終わってしまった。思えば冷やし中華も食べていないかも?
8月に入ったデニーズのメニューに「グラニテ」なるものを発見した。グラニテとはフルコースのメインディッシュの前に出てくるカキ氷のような口直しのお菓子である。
カキ氷と違うところは氷にシロップをかけるのではなく、前もって味付けしてたベースを凍らせ、それをスプーンなどですくっておしゃれに盛付ける。したがってフラッペとも違う。グラニテはざらざらしていて、きめの細かさを主張するシャーベットともまた違う。
カキ氷は夏専用ともいえるメニューだがグラニテは季節を問わない。四季折々のフルーツをベースにリキュールで香り付けをしたものの多く、まさに大人の味わいなのである。
グラニテは家庭でも簡単にできるので試してみてはいかがだろうか。お好みのフレッシュジュースをバットに注ぎ凍らせて固めればOK。できれば素材にこだわったた100パーセントのフルーツジュースを使いたい。
今の季節なら、梨やぶどうの果実をざっくりつぶしてグラニテにするのも贅沢な楽しみ方。贅沢といってもお金がかかるわけではないので大いに楽しみたい。ちなみにフランス料理のシェフに言わせるとグラニテとは「砕けた花崗岩のようにザラザラに凍らせた」ものとのこと。
ところでデニーズはこういう小技の利いたデザートにとても強い。ティラミスやパンナコッタ、ナタデココ、スムージーなどいち早く取り入れて人気メニューに仕上げるところはそれなりに鋭敏なアンテナを張っている開発スタッフがいるとみた。他店も真似をするのではなくこういった目利きのできるスタッフを育てることがファミレス業を支えていくことに間違いは無い。企業は商品開発力にかかっているからである。
2003/09/07