元気のよい和風居酒屋のせいだろうか、対抗する和食ファミレスもちょっと様子が違ってきた。一昔前の和食ファミレスは、寿司メニューにそばメニューを組み合わせた高額セットが幅を利かせていた。しかしこれらの多くは、味はそこそこ、量は多すぎ、値段も高すぎ、というお世辞にも褒められたものではなかった。しかしそれでも流行っていたのはやはりターゲットがテンコ盛り大好きな「日本人」だからなのだろう。

久しぶりにすかいらーく系の「夢庵」に入ってみた。夢庵は同じくすかいらーく系「藍屋」の低価格版の店。ともに和食でがんばっているファミレスだ。

店内はドリンクバーを導入し、ドリンクメニューについての省力化を図っているのは今流だ。しかし、低価格店舗にしては店内はきれいで洗練されている。さすが老舗の系列であるだけのことは有る。

メニューは酒肴を相当意識しており、セットメニューはさておき、思わず酒肴単品メニューをたくさん頼んでしまった。しかし価格もリーズナブルで味もかなり良い。アルコールの飲み物を別にすれば4人で飲み食いして4千円で収まる。いまどきの和風居酒屋で食すれば、一人2千円は飛ぶから、この夢庵は立派。見事に和風ファミレスの要件を満たしている。

更に最近思うことだが、和風居酒屋は店内を隠れ家のように演出しているが、バリアフリーの視点からすると結構いただけない店が多い。今までの居酒屋と違って和風居酒屋とはいえ「食い物屋」と銘打ち、ファミリーをターゲットにしているはず。その割には店内通路は狭くつまずきそうな場所も多い。掘りごたつ式の客席も足の不自由なお年寄りには座るときに結構辛いのをご存知なのだろうか?ぜひともファミレスのような座りやすいイス席を用意していただきたいものである。なお背の高いカウンター席も年寄りには危険だということを知ってほしい。

その点、何も考えずお年寄り連れでも入れる和食ファミレス「夢庵」は安心して入れる店だ。有名店や行列のできる店がもてはやされる昨今だが、空気のように街に溶け込んで、安心して利用できるのがファミレスの一番大事な役目。そんなことを再認識したのであった。

2002/09/08

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