今年もまたクリスマスがやってくる。クリスマスといえばケンタッキーフライドチキン。これ以外には無い。ケンタッキーはこの日のために他の一年を営業しているといってよい。

繰り返しになるが12月24日クリスマスイブの日はどの店も普段の10倍以上の売り上げを確保する。それだけの量のフライドチキンを普段の設備で揚げるわけだから、時間的にかなり前から揚げはじめなければならない。必然フライドチキンのクオリティは落ちる。だから24日はチキンを買ってはいけない。可能ならば23日もしくは25日のチキンにしよう。この日のチキンならば普段どおりのおいしいチキンを保障する。といってもチキンがほしいのはやはり24日なのだが。

さてケンタッキーフライドチキン(以下KFC)で使うチキンは専用の農場(KFCハーベスト)で生産されている。年をとって卵を生まなくなった老鶏を使っていると言われることがあるがそんなことはない。それどころか孵化後の日数については一般に出回っている鶏肉より若いものを使っているくらいだ。これもKFCこだわりの一部である。

通常の鶏肉は孵化後40~60日くらいの雛鶏を使う。お肉屋さんで買う鶏肉は大体これくらいのものだ。しかし、KFCでは孵化後30~35日のものを使う。したがって市販の鶏肉より柔らかい。しかし、ちょっと小さいのが難点。KFCで買ったチキンが小さいときはつい残念に思ってしまうが、実は品質面では「当り」なのだ。

流通されるチキンはほとんどがチルド(氷温)で輸送される。冷凍物もある。大量に販売が見込めるときは冷凍物でカバーするときもある。冷凍物であっても品質管理されているから心配は不要だ。心なしか冷凍物の方が大きいような気がする。

チキンは冷蔵庫で十分に血抜きされる。冷凍物も解凍された後に血抜きされる。この作業はおいしいフライドチキンを提供する上で大事な作業である。しかし冷蔵庫は汚れるので掃除は大変。怠ると臭うし、こびりついたたんぱく質はちょっとやそっとでは落ちないからだ。

使うチキンの仕込みも入念に行い、選別も厳しい。肌にアザがあったり、骨折しているものは使わない。揚げる前にファット(脂肪)も除去する。関節は一回グリッとはずし、元に戻す。血が抜けるようにするためだ。こうして選別仕込まれたチキンは秒単位で管理された手順によって揚げられる。マニュアルに沿った作業だが良く練られていて職人顔負けの手順を踏む。おいしさの秘密はこういった細かい作業に支えられているのだ。

2002/12/08

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