巨きな醤油ラーメンの店という意味か「巨醤屋(きょしょうや)」を訪問してみた。場所は水戸街道(国道6号線)沿い。東京から向かって水戸を過ぎ右側にある。店名にはひたちなか店となっていたがほとんど水戸である。

巨醤屋や醤油だれ、麺、がらスープにこだわった十種類のラーメンをウリとするラーメン専門の大型店。ウェイティング席もあり、メニューを見ればラーメンだけの構成で、純粋にラーメンの大型店であるのが嬉しい。日曜祭日には相当繁盛しているようだ。通常ラーメン系の大型店は中華料理も取り入れ、結局なんだかわからない店になっていくが、ラーメンのみで展開していく姿勢は立派。それだけラーメンに商品力がないとできない芸当である。

今回は「黒」(¥680)と「煮干し醤油」(¥650)、「皮めし」(¥200)「巨醤屋餃子(紅白)」(¥300)を注文した。「黒」はその名のとおり醤油の色で黒くなったラーメン。太目の縮れ麺がよく合う。スープは豚ガラスープの背脂系から脂分を取ったような感じで濃厚ではあるが背脂系に比べると中途半端なような気がした。別に「今」というラーメンもあったが、こちらは今風の背脂ラーメンのようだった。

煮干系はなかなか美味しい。こちらは醤油の色も薄く、煮干味がはっきりしている。麺は細目の麺を使用。昔風といえば昔風。しかし別に「あっさり昔醤油」というメニューもありどう違うのかは不明。

私から言わせるとラーメンはやはり豚ガラや鶏ガラで出汁をとるべきという持論であるので、煮干系がいくら美味しくてもラーメンとしては認めない。そもそも煮干で出汁をとるのは味噌汁である。ラーメンは本来煮干では出汁をとらないのである。

「巨醤屋餃子」は普通の餃子が3つ、辛子餃子が2つ交ざって出てくる。しかし、どうも早く出てくると思ったら中が冷たかった。特に辛子餃子の味が良かっただけにちょっと残念。オペレーションミスであると思うが、こういうところが大型店の弱みなのである。オヤジ一人でがんばっている単独店では考えられないミスであり、そういう店には到底敵わない。

「皮めし」は鳥皮を揚げたものがご飯に混ざっているというものだが、特に面白いメニューではなかった。それよりご飯自体をグレードアップするほうが嬉しいサービスとなるに違いない。

さて、ラーメンはそこそこの味でこれならファミリーには受けると思う。その為の大型店でありファミリー席も多くとってあり子連れには嬉しい。しかし、同じラーメン大型店の幸楽苑(会津喜多方系)のチェーンに比べると価格が高すぎる。ラーメンに680円も出すならラーメンファンはより専門的な評判店にいくだろう。

流行る気配のある店だが、課題も多いと感じた。願わくば、中華系のメニューに逃げず、本来のラーメンの質に対し精進していただきたいと思う。

巨醤屋|ファミレス様、覚悟せよ! 巨醤屋|ファミレス様、覚悟せよ!

メニューは豊富

ユニークな店内

巨醤屋|ファミレス様、覚悟せよ! 巨醤屋|ファミレス様、覚悟せよ!

黒¥680

煮干醤油¥620

巨醤屋|ファミレス様、覚悟せよ! 巨醤屋|ファミレス様、覚悟せよ!

ギョーザ¥280

皮めし¥200

巨醤屋ひたちなか店
茨城県ひたちなか市市毛491-1
TEL/029-270-0660
営業時間:午前11時-深夜0時
2002/10/06

2014.08.13追記
経営母体の株式会社マルベリィは巨醤屋の展開を止めてしまったようです。

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