ファミレスにかかわらずランチを提供する飲食店の場合、日替わりランチは担当者の頭を悩ませる。定番でないが故に自分の腕や旬の食材を生かせるのだがそれだけの頭や腕が無い場合、下手すれば「残り物食材の整理」となってしまうことも往々にしてある。ファミレスの場合は自店で別段の食材の調達はしないから、マニュアルが決まっていない場合は当然残り物整理になってしまうのだ。しかもお客でこの日替わりランチを頼む客が一番怖い。日替わりということは毎日来るお客だったりするからだ。

日替わりランチとはその日によって内容が変わるランチだが、ファミレスの場合曜日別にメニューを変えてマニュアル化しているのが普通だ。月~土までの分として6品用意し、1日に1品あるいは2品をチョイスさせるローテーションを組む。

これは日替わりといっても2週目にはやはり同じメニューを選ばせられるのでいづれは飽きられてしまう。客席を見渡すと思いのほか日替わりランチを注文している人が少ないのに気がつく。このあたりファミレスの日替わりランチの限界ともいえるだろう。

日替わりランチはランチメニューの中でも一番安く済む設定になっている。価格帯は500円から700円の間が多く、ランチスープとライスが付く。ライスは大盛りもチョイスでき、ランチスープはお代り自由なところもある。ココスはランチスープはお代り自由。一方ロイヤルホストはお代りはできないが本格的なオニオングラタンスープを出す。このあたりの攻防が面白い。ランチスープがお代り自由だとあえてドリンクバーを頼む必要が無いのでありがたい面もある。

日替わりランチのメニューは大体肉料理と魚料理の組み合わせ。少ない予算で2品盛りだから当然クオリティはあまり高くない。世の中には肉がダメ、あるいは魚がダメという人は多いと思うので、どちらかをメインにした料理を2種類用意しチョイスさせるほうがよいと思うがいかがであろう。

私はどちらかというと日替わりランチが好きである。好き嫌いは無いほうなので何が出てきても大丈夫だし、一応おまかせメニューであるのでシェフがどんな趣向を凝らすのか見ものであるという楽しみもある。普段は手の出ないメニューにも新しい味の発見があるかもしれないし、また健康に気を配る昨今、多品種の食材が摂取できるのもうれしい。注文する際にも深く考えなくていいのがありがたい。

ファミレスの日替わりランチは「とりあえず用意した」というレベルを脱していない、まだまだ力の入れようがある分野だと思う。予算が限られる日替わりランチだが、あえてこの難しいランチにファミレスは挑戦していただきたいと思う。そして各店ごとの個性を出してほしいと思うのである。

2003/07/27

関連記事