ファミレスの多くは冷凍麺を使っている。そば、うどん、パスタ、中華麺。メーカーは多分キンレイ、カトキチあたり。これらの冷凍麺は実はクオリティが高い。へたに生麺をゆでてばらつきのあるものを出すよりよっぽどまし。特にファミレスのような調理担当が日もまだ浅いアルバイトに依存する場合など、実に力強いアイテムといえる。ということでファミレスで冷凍麺を使うのは私は大賛成。

ところで冷凍麺だから当然冷凍されている。冷凍されている麺をどういう風に解凍調理するかで味が決まってしまう。ここで問題なのがボイル機。沸騰している湯に落とすのがマニュアルでも基本だが、ピークなどでお湯を継ぎ足しながら使っている場合は沸騰していないことが多い。そういうボイル機で調理されものは当然ぬるい。

更にその後、フライパンなど直火で仕上げる過程をとっている店では問題ないが、電子レンジで温めたソースに絡めるだけのパスタ料理だと、当然ぬるいまま提供されることとなる。ファミレスのパスタがどこもぬるいのはこういう理由によるのである。

これを防ぐには、前述したようにフライパンで仕上げることである。以前デニーズのメニューである、「タラスパ」、「ナストマスパ」をフライパンで仕上げる提案をし、私のいる時間(グレービー=深夜)だけ強行したことがある。店長に専用のフライパンを買ってもらい、提供した料理の客の評判は上々だった。しかし、これを全店でやるには大変だなと思ったものだ。

しかし、その後販売部長に提案した甲斐あって、新メニューの「カルボナーラ」がフライパンで仕上げることになった。これには驚いた。反面デニーズの苦悩を垣間見たような気がする。「カルボ」は好評だった。しかし社員には不評だった。忙しい店にしてみれば冗談じゃないと思ったろう。実際私のところに苦情のメールが着たことも事実。しかし、良く考えてみよう。美味しい料理を提供する方法を提案すると「そんなことやってられるか!」と社員から苦情が来る。これって本末転倒では?

本来飲食店は、美味しいものを提供するのに努力を惜しまないはず。そしてそういう店だけがお客の支持を得、生き残れる。このままでは10年後、デニーズはなくなっているだろう。私がよく言う言葉だが、そうならないためにはまず社員の頭の転換が必須なのだ。

2001/10/21

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