マクドってご存知ですか?そうマクドナルドのことだ。じゃミスドは?そ、ミスタードーナツ。最近ミスドは食材に入ってはいけないものが入っていて、そんな事故以来どこも閑古鳥が鳴いている。チェーン店は風評が一番恐い。

で、マクドナルドにはメニューに「スマイル」というのがある。価格は¥0。店員の笑顔はいくらもらってもタダである。もてなす心は商売ではなく本心から、という意味なのであろう。メニュー記載されているあの「スマイル¥0」はむしろ社訓のようなもの。客が見るというより店員が就業前に見るべき文字であろう。

で、デニーズである。CASAである。ロイホである。その他いろいろ老舗のファミレスをみてみよう。デニーズのメニューを見て感じるのは「なんでこんなに価格が高いんだ?」。以前ほどではない。しかし家族4人で遠慮なく夕食をすれば軽く6千円は越す。

でもこの価格、最近納得した。そうか、デニーズではスマイルは¥0ではなく300円くらい料金に含まれているのだ。たとえば、和風ハンバーグ。私はデニーズで一番おいしいのがこの和風ハンバーグだ思うのだが、値段が単品で780円。ドリンク付だと+220円で1,000円。和・洋風セットにすると+280円でなんと1,280円。気軽に利用できるコンセプトのファミレスで1,280円のどこが気軽なのだ?でも、まあいい。この中にかわいいウェイトレスの笑顔が300円ほど含まれているのだから。もしこれで無愛想な接客をされたらそれは詐欺である。猛然と抗議しよう。

以前ほどではないが、日曜のファミリー連れでは圧倒的人気のサイゼリヤ。ご存知イタリアンカフェレストランだが、ここのハンバーグはなんと380円である。焼肉がつくと480円。デニーズのハンバーグより300円以上安い設定だ。但しその代わりウエイトレスの笑顔は期待できない。サイゼリヤはデニーズの半分の人手で店を運営しているので、ウエイトレスはめちゃくちゃ忙しい。笑顔なぞ作っていられないのだ。ま、こういう低価格レストランでは客も笑顔を買いに来てるわけではないから気にはしてない。

元祖スマイル¥0のマクドもハンバーガー65円、チーズバーガー80円の半額セールのときにはさすがに笑顔が失せていた。ハンバーガー65円といえば20個買っても1,300円である。クリスマス、年末のシーズンにはパーティーにはうってつけである。普通の家族の昼飯などにも格安で済む魅力ある価格設定だ。私が買いに行ったときは、最初の頃もありお一人様20個までと限定販売になっていた。迷わず20個くださいと言ったら、疲れた顔が「またか」と応対していた。もちろん言葉には出さなかったが…

そのマクドも半額セールをやめた途端に客足が遠のいたらしい。年中半額では公正取引にも引っかかるが、やはり消費者にとって安さは最大の魅力。今度はハンバーガー59円で復活するらしい。もっともマクドの場合、そのほかのメニューで利益を得る魂胆で、新規メニューの開発には鬼気迫るものがある。しかし「ハンバーガー屋はハンバーガーで勝負すべき」と思うのだが、いかがなものか?

デニーズのように質の高いサービスを付加価値としてメニューの価格設定するのも商売である以上意味のあることと思う。商売と言うのはいかにして付加価値を高め、高い値段をお客様に納得させるかが勝負どころだからだ。しかし、デニーズを始め老舗ファミレス群の現状ではとても300円の付加価値を持つ接客をしているとは思えない。食べ終わってやっぱり高いなと思うその素直な印象がなによりの証拠なのである。

2002/07/28

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