「豆十」と書いて「ずっと」と読む。豆十は茨城県水戸市にある居酒屋。姉妹店に「壱豆」というのもある。これは「いちず」と読ませる。店名に豆とあるように豆腐料理がウリの居酒屋。同店では豆腐ではなく「豆冨」と書く。ここにもこだわりがある。
インターネットでは「店主の顔が見える店」というのが流行る傾向にある。評論家も口をそろえてそうコメントする。そこで店主の顔写真を載せたりするEコマースサイトがどんどん増える。でもこれは勘違い。
「店主の顔が見える」というのはなにも店主の顔を写真で見せろ、という意味ではない。店の佇まいに店主のポリシーがあるという喩えである。だから店主の顔をわざわざ写真で載せる必要はない。滲み出してくればそれで成功なのである。ろくなもの売ってないくせに汚い店主の顔など見せるな、そういうサイトがごろごろある。情けない話だ。
さて豆十(zu-tto)である。店構えは和風でありながらかつモダンなエントランス。木の持つ風合いやさしさを演出した造作は今流行りでもある。この手法をとっている同系列の店に「円喜門(えんぎもん)」がある。多分同じ経営かFCであろう。
入り口に掲げられたオススメメニュー看板が食欲をそそる。ここは炭焼きの焼き鳥、豆冨料理、おでんが売り物である。味付けは見た目あっさりで味もあっさりしている。素材にこだわり料理の手法にこだわっている。随所につぼ八などの大手居酒屋チェーンにはないクオリティを見せつける。こういうところに店主のこだわりを見る思いがする。
筆者が常に気にしていることに「お通し」がある。居酒屋ではまず人数分のお通しがやってくる。ここ豆十のお通しは一人¥350。このあたりはファミレスにはない慣習で、お通しの質が悪いと強制サービスという悪い印象になる。お通しにも万全の質を求められるのだ。
私個人的にはお通しは不要と考える。ほかに美味しい酒の肴はたくさんあるのだから。ちなみにここのお通しは3種類の盛り合わせ。不味くはなかったが、やっぱり要らないと思った。
居酒屋だけどしっかり食事ができる。お酒は飲まなくてもいい。そんな店が増えている。つまり食事処。店内外のデザインも優れており店主の顔が見える。既存のファミリーレストランと真っ向から対決するのは必至。ただし今回の出費は3人で約7千円。ファミレスと比較すれば格段に多い出費となるのだが、もし同等に勝負できるとすればそこにビジネスチャンスがあるかも。
2002/06/09
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