「サイゼリヤが真のチェーンストア展開に成功し実績を伸ばしている」といわれている。真のチェーンストアとはある一定の利益を出しつつ、更にある一定の出店率を確保し鎖のようにその一端を伸ばしていくシステムである。この論からすれば、永久に出店を続けなければ、チェーンストアではない、ということ。

ちょっと前なら、それもいいだろう。ケンタッキーフライドチキンの500店舗達成。マクドナルドの1000店舗達成。デニーズの500店舗達成。いずれも店舗を出店しつづけることで利益をあげてきた。しかし、内情をよく分析してみると既存店の赤字を新店がカバーしてきたのだ。これからは新規に出店をしなくても利益をあげなくてはならない。

2年位前、サイゼリヤは6年後には1000店舗をめざすといっていた。あれから2年、とすれば残るは4年。いまでも本気でそんなことを考えているのだろうか?ただでさえ狭い日本。多店舗展開で苦労している飲食店がこれほどあるのになぜ多店舗展開で生き残ろうとするのか?多店舗展開すればその時はいい。が、すぐに飽きられて四苦八苦するは目に見えている。

新規出店による利益を追う時代はもう終わったといってよい。これからは1店舗あたりどれだけの利益をあげられるかという熾烈な時代になる。まず隣のファミレスをつぶさなければ自店は生き残れないと思って間違い無い。

労働生産性の向上、仕入れ原価の低減。経費の見直し。人材の見直し。いわゆるリストラだ。間違っても首切りではない。ファミレスは人で持っているサービス業だ。むやみな首切りはご法度だ。人材に投資するリストラ。これを実現できた会社が、次期主導権を握るだろう。さてどこが先んじるかな?たのしみだ。

2001/11/18

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