ペイオフが解禁され、大手銀行の脆弱さが浮き彫りにされる昨今、資産運用には慎重にならざるを得ない。そんななかファミレスの株が売れている。株と言うのはお金を投資するわけだから、その見かえりとして配当が期待できなければ買うことはしないのが普通。ファミレス株は決して好調とは言えず、上がってはいない。業績が悪ければどんどん下がるし普通なら買う人はいない。

ところが、業績が上がっていないのを承知でファミレス株を買う人がいる。なにかメリットが無いと買うわけが無い。単なるファン?ファミレスが好きだから?それもあるだろう。しかし、彼らがファミレス株を買う大きな目的は、株主優待制度があるからなのだ。

通常は株主になると色々な優待がある。味噌や醤油をくれたり、テーマパークの入場券が安くなったり、鉄道会社などの場合は電車賃が安くなる優待もある。しかし、どれもそれほど金額になるものではなく、もらえるものならもらっとこうか程度のものでしかない。

ところが、ファミレスの場合、食事券がつく。そしてこれが結構大きな金額なのだ。例えば「焼肉のさかい」の場合は、1000株以下の株主には3,000円だが1000株以上の株主には一気に32,000円相当の優待券を贈呈する。程度の差はあれ、どのファミレスもこれと似たような優待を実施している。

サイゼリヤのように株価の勢いのいい会社は1000株といっても大きな金額になり買うのも勇気がいるが、額面500円とすれば、50万円に対して32,000円相当の食事券は結構良い利率に相当する。もちろん食事券を有効利用できる人にとっては、と言う限定付ではあるが。

さて、社員でも株が持てる制度がある。これをストックオプションというが社員が株主でもあるということは多いに勤労意欲を増すことができ、経営戦略的にも効果のある作戦だ。特に店長クラスになれば、働いて店の利益を上げれば自分の給料が上がる。更に会社に利益をもたらせば株の配当にもありつけるという仕組みだ。

そして成長している会社は株価がどんどん上がる。無償の増資もある。知らず知らずにどんどん資産価値が上がるもっともうまみのある会社と言える。某社員の中にはそれを売ってフェラーリを買ったツワモノのいるとか。

余談だが、営業時間前から営業時間終了後までファミレスの駐車場に止まっているクルマはほぼ社員のクルマと思って間違いない。そのクルマの贅沢さ加減でその会社の勢いがわかる。ダントツはサイゼリヤ。25歳店長クラスで300万円以上のスポーツカーはザラ。エリアマネージャーともなれば御ベンツに乗ってらっしゃる方もいる。

ま、そういう贅沢も会社が勢いの良い時しかできない芸当であるし、そんな車道楽をするより、来るべき下降線に備え、ちゃんと貯金しなさいよ、なんて野暮な説教をしてもどうせ聞く耳持たないだろうから今はするのやめておこう。

2002/05/12

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