マクドナルドが「チャレンジ60秒サービスキャンペーン」を2003年5月19日から一部店舗で始めている。これは注文を受けたら砂時計を使って時間を計り、60秒以内にお客様にスピーディに注文品をお出しするというキャンペーン。ピーク時間の11:30~13:00に実施するという。60秒以内に出せなかったらポテトのSをサービス。マクドナルドがやるからには悲壮感はなく、むしろゲーム感覚のイベントといっていいだろう。
背景には、メニューが増えて質も上がった代わりに提供する時間がかかり本来のファーストフード(速く提供する)というメリットが薄れた、ということがあるようだ。確かに「早い、安い、うまい」を原点として伸びてきたファーストフード。しかし一時期の安かろう悪かろうによる客離れの反省から、レストラン並みの質とサービスを提供するところも多く現れてきた。ところがそういった店のオペレーティングは手がかかる。当然提供に時間がかかり、結果としてお客を待たせることになる。
マクドナルドのこのキャンペーンはそういったファーストフードの原点を見直す意味で価値のあるものと思う。またこういったイベントを組み、マンネリ化した従業員の士気をあげるのにも役立つと思う。一方従業員は大変だ。笑顔でこのイベントに取組み、60秒以内の提供に失敗したら、これまた笑顔でポテトをサービスするのだ。やれやれ、と思っているに違いない。ご苦労様。
ところで、日本でファーストフードといっているのは、正しくはファストフード(FAST=速い)の意。ファストフードは「食べたら速くエネルギーになる食べ物」のことで、開拓文化でもあるアメリカ特有の文化から生まれた食べ物といっていい。牛肉をミンチにして焼き、それを野菜と一緒にパンにはさむというのは全くお手軽なフードで発明といえるくらいのアイデア食品である。
ただ、このファストフードがアメリカの肥満社会を作っているのも確か。身体を動かすのに必要なエネルギーはじつは糖質と脂質。ハンバーガーには肉が使われているがたんぱく質のみならず脂質が大量に含まれている。この脂質のカロリーは米や小麦粉などの炭水化物から得られるカロリーの約2倍にもなるのだ。肥満するのは当たり前。
ところで、日本の伝統的なファストフードといえばおにぎり。このファストフードは脂肪分は少なく非常にヘルシーだ。しかも炭水化物は良質のエネルギー源。アメリカ人はハンバーガーを食べるのをやめておにぎりにしよう。これで肥満社会の速攻で解決するはずである。
2003/06/08
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