3年位前に流行ったシーザーサラダ。今でもレストランでは人気メニューだがどこぞのレストランではシーザーサラダの注文時にドレッシングを聞いてくる。おいおいシーザーサラダはシーザーカーディーニさんが作ったドレッシングをかけるからシーザーサラダなのだぞ?なのにドレッシングを選ばせるとは?

サラダについてドレッシングにこだわるのはまことに正しい。かのサイゼリヤも頑なにサザンアイランドドレッシング一筋をサラダにかけてから客に提供してきた。最近ではドレッシングを選べるようになってしまったが、これはちょっと残念である。なぜなら、サラダはドレッシングとのマッチングを含めシェフの技だと思うからである。

しかし、サイゼリヤはサラダを本当によく売る。売り方を心得ているといって過言ではない。サイゼリヤではサラダベースといって、最後の具材をトッピングしてドレッシングをかける前までの状態で、作り置きをする。その日の分だけ予算を立て次の日には持ち越さないのが原則。食材は新鮮さを失わないように消費期限は守られている。作り置きしたサラダはよく冷えていて、提供数も多く、回転が速いので鮮度の劣化は無い。

サイゼリヤはサラダを売る気がある。提供時間は5分以内。まずサラダを食べてもらうことでその後の食欲が増すという、イタリア式の食文化をそのまま導入している。したがって、他のオーダーが入っていてもそれに取りかからず、何はともあれサラダをまず出す。お客も心得ていてまずサラダを注文する。ちなみにサイゼリヤでは標準的な店でもサラダは50個以上売る。

一方ファミレス老舗デニーズの場合、以前はサラダ自体の設定価格を比較的高かったため提供数が意外と少なかった。シェフサラダが当時680円という価格でそうそうは注文が来ない。しかしレシピが手の込んだサラダのため、作りおきしておかないとピークでつらいことになる。そこで作りおきをするわけだが、前の晩に作っておいたものが翌日まで残っていたりする。

これは作り置きがどうのこうのという問題以前に、デニーズの商品群の中でサラダがどういう位置にいるのか?更にいえばサラダを売る気があるのかという問題になる。客数が一日200以上もあるのにメインのサラダが10個も出ないと言うのはどういうことなのか?

こういう苦い経験を経て、一部メインとなるようなプレートのサラダを除き、現在ではデニーズのサラダはすべて500円以下になった。喜ばしいことというか、やっと当たり前の価格設定になったといえよう。

ちなみにシーザーサラダは430円。もちろんちゃんとシーザードレッシングをかけて提供している(はず)。

2003/04/27

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