ばんどう太郎グループは和食店「ばんどう太郎」を軸に、とんかつ専門店「かつ太郎」、うどん店「元気うどん家」、かにを提供する「八幡太郎」、海鮮レストラン「海のさむらい」など運営する企業だ。なかなか元気のある企業だが店の運営やデザイン、メニューコンセプトなどが洗練されてなく、まだまだこれからの企業という感じがする。

今日はその中でも新業態の和風居酒屋「さむらい」テクノパーク桜店を紹介する。もともとここは「元気うどん家」として営業していたが、昨今はやりの「黒い木造板張りをイメージした隠れ家風の和風居酒屋」である。同じグループの「海のさむらい」とは業態が違うようである。

場所はつくばのテクノパーク桜内の激戦地。佇まいは和風の格調高い落ち着いた雰囲気でちょっと高めの店かなと思わせる雰囲気が有る。例によってひざの曲がりにくい年寄り同伴のためイス席を注文。すると2階へとご案内。ちょっと待て。年寄りは階段も苦手なのだ。飲食業界はほんとバリアフリーを真剣に考えてほしいと思う。ちなみに年寄りに向くと思うかもしれないがお座敷は不可。またトイレも和式は不可である。ヒザが曲がらず不自由なお年寄りはすごく多いのだぞ。

さて、メニューを見て注文する。おでんと豆腐、串焼きと寿司が得意らしい。それぞれ適当に注文。最近「豆腐」を「豆富」と表示する場合が多くなったがここのご多分に漏れず「豆富」。栄養豊富だからだろうか。そういえば夢庵も同じく「豆富」と表示してあった。別に異論はない。

でてきた料理は、なかなかのものであった。まず、量が多くて嬉しい。一時期居酒屋「北の一丁」が流行っていた時、ここの量の多さには感動したものだ。ファミリーとくに食い盛りの若者がいる時には量の多さは大事なファクター。量が多いということは相対的に予算も安くすむからである。最近その「北の一丁」は量も味も平凡になってしまい、たまに行けば閑古鳥が鳴いている状態。初心の戻れば良いものを。

さてこの「さむらい」では量がまず圧倒しているのだが、味もなかなかである。「つくね」などは自家製であろうか、とても大きくボリュームの有る逸品であった。また「おでん」もおおきな大根がどーんと乗っていて迫力満点。メニュー構成は明らかに先行する和風居酒屋の真似であるが、ボリュームで差別化しているように感じられた。

この手の和風居酒屋は最近雨後の筍のように乱立し始めていささか食傷気味であるが、丁寧に味とボリュームそして接客ノウハウを磨いていけば十分生き残れる業態だと思う。課題となるのはその料理の質だが、和風居酒屋であるなら創作料理でフルコースを組める位の技量はほしいところ。そして、そのコースは3,500円というところか。

銀座の名店も僅かな予算でフルコースが楽しめる昨今、ファミレス展開をしている企業もうかうかしてはいられないのが現実なのである。

ばんどう太郎グループホームページ
http://www.bandotaro.co.jp/

2002/09/15

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