24時間営業のファミレスに3日間居たという話を聞いた。このツワモノは一体3日間何をしていたのだろう。食事を摂りつづけていたのだろうか?そんなはずはない。寝泊りする場所代わりにコーヒーとポテトだけでファミレスを利用していたのだ。当然ながらそういう使いかたはマナー違反。

日本に24時間営業の店ができたのはいつ頃のことか。自動販売機の発明と普及による缶飲料の24時間営業は久しいが、外食産業では吉野屋の24時間営業が強烈だった。デニーズも24時間営業のイメージが強いが、もともとは同系列のセブンイレブンの7時-23時をまねたもの。それがいつしか24時間営業になっていった。

そのコンビニのセブンイレブンもいまや24時間営業が当たり前。7時-23時を守っているのはよほど特殊な立地か、あるいはそんなに長時間営業しなくても採算が取れるのんびり店だけだ。

吉野家の24時間営業や、デニーズの24時間営業は深夜ちょっと食べたい時やドライブの途中ちょっと休みたいときには重宝する。しかし住宅街での24時間営業は果たして本当に必要なのか首を傾げてしまう。

コンビニでもそうだが24時間営業で店を開けばかなりガラの悪い客も来る。暴走族まがいのうるさい連中も来る。シンナー遊びや乱闘騒ぎなど違法行為をしていれば警察も呼べるが、ただそこにいるだけでは警察は来てくれない。なにより住宅街の場合は近所迷惑だ。レストランは周辺住民に恩恵を与える環境業種とはいえ、近所迷惑なことをやっていいとはいえない。24時間営業をしているために周辺住民が睡眠不足に陥ってるとしたら、その企業はその事実を本気で考えなければならないだろう。

吉野家やすき家のような単品勝負の店舗は、住宅街のような立地では商売にならないので、街道沿いや駅前など住民に迷惑がかからないところに出店しているが、ひっそりとした住宅街にある24時間営業のファミレスは一体どういうつもりなのだろうか?特に24時間営業を推進している、ガスト、デニーズ、ジョイフルはもっと周辺住民に気を配るべきである。

24時間営業が当たり前のファミレスを横目に、売り切れ仕舞い、短時間営業でがんばっている店も多い。店のオヤジが仕込みに気に入らないと、その日は休んでしまう店もある。そういう店に限って開店前に行列ができていたりする。こういう店は効率のいい経営をしているところが多いのも見逃せない。つまり儲かっている店ほど営業時間は短いのである。

すかいらーくが街道筋を席巻していた1970年頃のファミレスの営業時間は11時-2時が当たり前だった。そしてこの15時間営業でも十分に潤っていたはずなのだが、いつのまにか24時間営業になっている。やみくもに営業時間を延ばさずに、もとの15時間営業で採算が取れるような仕組みを本気で考えてみてはどうか?とにかく深夜従業員には悲壮感が漂っているのが見逃せない事実なのである。

2002/08/11

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