オーダーが入ってから調理にとりかかることをツーオーダーという。時間はかかるが味は最高。料理にキレがある。しかし暇な店ならまだしも、速さが命のファミレスではすべてツーオーダーでやっていたら料理はいつ出るかわからずお客さんは来なくなってしまう。ファミレスのお客は速さを求めるからだ。

そこでスタンバイ、或いは作り置きをするわけだが、大量に作り置きするとさばけなかった分は時間がたちすぎてしまい味が極端に落ちてしまう。こんな物を出した日にゃお客さんは非常に敏感だから客足はすぐに減る。作り置きする量はシェフ或いは店長の腕の見せ所でもあるのだ。

ランチのためのスタンバイは必須。特に昼休み時間が限られているオフィス街などではお客は10分で食事を済ませたい。そのためには少なくともすべての料理を10分以内で提供する準備が必要。ウェイティングも何のその。

通常、日替わりランチメニューは前もって「焼き置き」あるいは「揚げ置き」されたものがさっと加熱されて提供される。早いけど、ぬるいのが常。湯煎にかけられているものは変色していることもある。当然味は落ちる。が、お客はしょうがないと思っている。ランチタイムだし。

サイゼリヤではランチタイムとはいえ調理済のスタンバイは無い。加熱直前のスタンバイで常に対応している。これの意味するところはランチタイムでもそうでない時でも同じ商品が出てくるということだ。考えてみれば立派である。ランチタイムでも深夜でも同じクオリティの商品が出てくる。

なぜこのようなことが出来るかというと、それはインピンジャーといわれるベルトコンベア式のジェットーオーブンの功績による所が大きい。ハンバーグもドリアもグラタンも、左から放りこめば右から調理されて出てくる。その間に色々なことができる。サイゼリヤがピーク時にも二人で店を回せるものこう言ったシステムがあるからなのだ。

2002/07/14

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