レッドロブスターはシーフードをウリとするディナータイプのファミリーレストラン。ファミレスとしてしまうには高級な部類だが、ターゲットはファミリーなのでファミレスと言ってしまおう。
レッドロブスタージャパンの創業は1982年。アメリカの本家のノウハウを買い取るデニーズと同じ形式で、資本は旧ジャスコ(イーオン)が出して始まった。大手ファミレスのほとんどが1970年代に台頭しているのに比べスタートは遅かった。しかし後発の強みで、先発組の良き悪しきを十分に研究できた。
しかしスタート直後は強調な出だしだったがバブルの崩壊と共に元気がなくなった。不良な既存店は次々と売りに出され、いつのまにかサイゼリヤになってしまったレッドロブスターが次々と登場することに・・。
なお、レッドロブスターは今では焼肉店牛角を運営する株式会社レインズインターナショナルがイーオンから株式を取得し、経営するに至っている。巨大な流通グループから小回りの利く飲食集団に経営が移って、心なしか元気を回復したレッドロブスター。やはり飲食業は小回りが利かないとうまくいかないようだ。
さて、日本では伝統的なシーフードレストランと言えば「すし屋」。回転寿司の台頭ですし屋も様変わりしたが、回転すしにしてもやっぱりおいしいシーフードは高いと言うのが実感。日本は島国で回りを海で囲まれているのに、なんで魚介類の価格が高いのかほんと不思議である。
日本でシーフードレストランが育たないのは食材の高さと調達の難しさであろう。主なシーフード食材のほとんどは商社が牛耳っていて、値段が下がらないのである。アメリカなんかではそんなことないのでシーフードは安い。そして牛肉はもっと安い。
レッドロブスターもそう言う意味では日本での展開は難しいものがある。メニューの値段は押さえられているけれど決して安いとは言い難い。そしてレッドロブスターが日本で受け入れられない致命的な事柄をここで披露しておこう。それはネーミングである。
ロブスターと言うのは日本ではイセエビの代替品である。ロブスターは言ってみればザリガニである。日本ではおめでたい席にイセエビは食すが、ザリガニは食べない。またザリガニを食する習慣は日本にはないのである。お客はロブスターを食べたいのではなくほんとはイセエビを食べたいのである。この辺にレッドロブスターの深い悲哀があるといえる。
ちなみにロブスターはフランス料理ではオマールエビといって高級食材だがいかんせんここは日本。イセエビには所詮かなわない。ということはイセエビを安く提供することができれば、そこにビジネスチャンスがあるといえる。
2003/05/18