去年の2月、平日半額をセールをやめてから半年後にハンバーガー59円という低価格戦略を再投入したマクドナルドが、2002年12月期で連結経常利益が前年に比べ9割減になってしまった。デフレに強いといわれてきたマクドナルドが青息吐息。

原因は安売り路線に走る安易さがダメだとか、営業費がかかりすぎるとかいろいろ言われているが、それはともかく一番の原因はハンバーガー自体に問題があるのではないかと私は思うのだ。

59円はありがたいので10個20個と買うけれど、食べてみるとあんまりおいしくない。次にも買おうとは思わないのである。ハンバーガー屋のハンバーガーがおいしくない?これは由々しき問題である。

マックのカウンターに並ぶとメニューがセットメニューやオススメメニューが前面に出て、明らかに単品59円ハンバーガーは売りたくないという姿勢が明らかである点も否めない。59円バーガーを買おうとすると「え?」というような顔をする店員。要するに、59円ハンバーガーはおいしくない、マックも売りたくない、売りたいのは高いグラコロバーガーなのである。

マックは世界共通のレシピを持ったチェーン店である。そもそもチェーン店の意義はいつどこで食べても同じ味という安心感にある。したがってレシピはマニュアルどおりであり、勝手な変更は原則認められない。日本で食べてもアメリカで食べてもヨーロッパで食べてもマックのハンバーガーは同じ味である(はずである)。海外旅行で食べるものに迷ったときマックを見つけて安心した御仁も多かろうと思う。

しかし、日本のマックは日本で認められなければビジネスとしてやっていけない。おいしいハンバーガーを常に研究し続けなければならないと思う。それができないあるいはやれないから、グラコロバーガーなどというつまらないメニューに逃げるしかないという事情は理解できるけれど・・

マックの第一号店ができたころ、ハンバーガーはおいしかった。ちょっとお金があるときはダブルバーガーをほおばるのがうれしかった。さらにお金があるときはビッグマックをおごった。これがマックを利用する客の喜びの他ならない。グラコロバーガーなどクソ食らえである。

ハンバーガー屋の基本はやはりノーマルのハンバーガーである。マックにはおいしいハンバーガーを作ってもらいたい。みんなそれを待っているのである。

2003/01/12

関連記事