ポイント制といえば、グリーンスタンプやブルーチップが懐かしい。といってもこれらの企業は今も健在で、流通業の活性化に一役買っている。昔懐かしい切手スタイルのスタンプは姿を消し、カードスタイルになってしまったが。
すかいらーく系列レストランで採用していたクラブラークポイント制度が2002年12月31日をもって終了となった。すかいらーくだけでなくIYグループやユニクロなど大手流通業でも続々廃止となっている。
また、ウェブでクーポン券を印刷してそれをリアル店舗に持参すると割引が受けられるサービスはマクドナルドが草分けだが、それも今は廃止となっている。
なぜ廃止なのか?
それは商売の原点に帰れば分かること。顧客がほしいのはポイントではなく、実際に買う商品のクオリティなのだ。そのクオリティが満たされていれば、余計なポイントなど二の次。言い換えれば、そのクオリティが満たされていないのにポイントにつられて買うことはありえない時代となった、と考えられる。
商品を買うときに店と商品を十分吟味するようになった結果、専門的なものは信頼の置ける専門店で買うようになり、同じところで買うことが減ったためポイントをもらっても、どうせ使わないし、もらってもしょうがない、ということもあるだろう。
バブル崩壊の余韻を引きずり、顧客獲得に走る企業。とにかく店舗に顧客を越させることが先決ということで、クーポン券の発行、そしてポイントカードを発行し、リピートを狙った。
クレジット会社の攻勢も原因のひとつだ。クレジットカード機能のついたポイントカードを企業ごとに契約させ、ポイントの付け方で差別化し、顧客に自社のカードを売り込む。売り込まれた顧客の財布は各社クレジットカードであふれる結果となった。
各社まちまちのポイントを一箇所に集約する企業まで現れた。ここまで来るとポイントが通貨となる可能性も出てくる。通貨として流通すれば国税局も黙っていないだろう。しかしそこまでの普及はないと思う。顧客も馬鹿ではない。年会費のかかるクレジットカードを整理し始め、新たなカード入会を拒否するようになった。
ここに来て企業は目が覚めたようだ。ポイントやクーポンで客を釣るということは商売のおまけ的要素であり正道ではないことを。おまけ目当てに商品を購入するほど世の中甘くはない。しかも、クーポンやクレジットカード会社への加盟料は利益を圧迫する。
カードが当たり前といわれる時代と思いきや、意外と現金主義へ戻る企業も多いのが現状。商売の本質を見つめなおす時期にきたということではなかろうか?企業は身軽になって、もてる経営資源を一点に集中し、顧客の支持を得なければいけない時期に来た。
2003/03/30