日本でハンバーガーといえばまず思い浮かぶのがマクドナルド。そして対抗馬のモスバーガーであろう。マクドナルドは本家はアメリカだが、総裁藤田田氏率いる日本マクドナルド活躍は本家をしのぐほどであった。その甲斐あって1999年には国内で1000店舗の出店を達成するすると言う偉業を成し遂げた。そして現在は3800店舗もある。
しかし最近ではマクドナルドもモスバーガーも元気が無い。低価格路線も功を奏さず、不採算店の相次ぐ閉店や撤退などいいニュースが無いのが現状。株価も下がり続けている。もはやハンバーガーはだめなのか?
というと、そうでもないのである。最近人気のクアアイナは巨大なハンバーガーを1000円近い価格で売っている。またフレッシュネスバーガーはクオリティの高い商品をリーズナブルな価格で販売し、人気上昇中である。
これはどういうことか?考えられるのはハンバーガーは食べたいが、もはやマクドナルドのハンバーガーは飽きたので食べたくない、ということにほかならない。
人間の味覚には「飽きる」ということがあるということ。いくらおいしくても毎日はいらないということだ。また「ありがたみ」ということもあるだろう。マクドナルドが銀座三越にしかなかったら電車賃をかけても行って食べたかもしれない。しかし、今では犬も歩けばマクドナルドに当たる状態。ありがたみなんかこれっぽっちも無いのだ。
ここに飲食業が長く繁盛する秘訣がある。つまり、店舗を増やさず、味をかたくな守り、丁寧に商売するということだ。今までの飲食業はどちらかというと大量生産型のマスに乗って利益を上げてきた。これからはそういうやり方は通用しない。店舗を増やさずとも利益を上げ、成長していかなければならない。これは難しいけどやり遂げればこれほどうまい商売はない。生産性が成長していくということに他ならないからだ。
ところで、フレッシュネスバーガーがマクドナルドに勝っている要件は、店に行ってみればわかる。価格はやや高めだが、品質がまるで違う。特に注目すべきはかぼちゃを練りこんだバンズだ。ここまでこだわったハンバーガーは今まで無かったといってよい。
店の主になったとき、よりおいしいものを提供しようと思ったら、中身の野菜やパティとともにバンズにも注目するのが当たり前と思う。ところが大手ハンバーガー屋のバンズは第一パンやフジパンの大量生産もの。一般向けのヤマザキのバンズにも劣る代物だ。
ビジネスを行ううえで妥協は他社に追いつかれる最大の要素でもある。妥協を許さない姿勢はそれだけで他社を寄せ付けない。これは外食産業だけでなくどの企業にもいえること。ファミレスも常に妥協を許さない姿勢を続けて行かないとすぐに新参者にやられてしまう。ちょっと前のすかいらーくと後を追うサイゼリヤがいい例だったが、今はサイゼリヤも追われる身。妥協・・していないでしょうね?
2003/05/11