サイゼリヤというイタリアンカフェレストランが元気がよい。

毎日どこかで新店舗がオープンしているというまさに破竹の勢いのこのチェーン、昔のすかいらーくを彷彿とさせる。

サイゼリヤの意図するところはファミレスではなくカフェレストラン。ヨーロッパでカフェといったらコーヒー屋ではなく、ワインを売りたいレストランということになる。しかし日本では利用する側はそうは見ていない。安くて美味しいファミレスと思っている。まいいじゃないか。元来お客はそう細かいことを気にしないものなのだ。美味しければ来る。

価格はめちゃくちゃ安い。それもそのはず価格設定のターゲットが競合するファミレスではなくコンビニを想定しているからだ。この想定は全く正しい。なぜなら既存のファミレスが苦戦しているのは競合店が多いだけでなく、手軽に利用できるコンビニの台頭ほかならない。

サイゼリヤのイタリアンジェラートの価格は¥179。これは1999年当時セブンイレブンで売っているジェラート¥180を狙い撃ちしたシロモノである。もっともセブンイレブンも負けておらず、その夏は\150のキャンペーンを撃って返り討ちにしようと目論んだ。結果はどうだったか知らない。

ドリンクバーは¥180。ミラノ風ドリアは¥290。海老がたっぷり入ったサラダも\430。真っ青になったのは老舗のデニーズやすかいらーく。同じようなハンバーグが半額以下なのだから。ちなみに人気メニュー「ディアボラ風ハンバーグステーキ(エキストラバージンオリーブ油入り野菜ソース使用)」はなんと¥480。しかもデニーズのロケーション(立地)を狙うかのように近くに出店ラッシュ。おかげでデニーズは閑古鳥。某SVがぼやいた。「うちもああいう店がほしいよ」。これ実話。

いまどき家族4人がちょっとしたレストランでちょっとした食事すれば1万円は悠にいってしまう。しかしサイゼリヤなら半額の¥5,000で済む。ワインを飲んでだ。この差は大きい。

しかしちょっと待てよ?これって20数年前のすかいらーくと同じではないか?かのすかいらーくも当時ファミリーを狙ったコンセプトで破竹の勢いで伸びてきた企業だ。全く時代は繰り返す。

ということは、サイゼリヤもいつかは今のすかいらーくのようになる!?そしてこれはほぼ正しく、すでにその傾向は出ている。現在435店舗。500店舗で頭打ちになる日本のフードサービスのジンクスを破れるか、見ものだ。

2001/09/16

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