【前号からのつづき】

一番人気は九州一口餃子テムジンらしいことは想像に難くないが、今回は食していないこともあり、ランキング番外とさせていだくしかない。食べてもいないのに評価する訳にはいかないからだ。テムジンのご主人によれば、夏休みが過ぎれば落ち着くのではないかという。ということで夏休み明けにまた訪問することにしよう。

となると、残った店でランキングするとなれば実力伯仲の店がまず3店ある。

まず、前号で紹介した神戸の「古屋」。ぱりぱりの薄皮餃子が美味しい。その古屋と同じ系統の餃子を提供するのが大阪の「餃々(チャオチャオ)」。味噌ダレを提供する「古屋」は16個640円に対し、醤油ダレの「餃々」8個280円と価格も拮抗状態。しかしイートイン席でオシボリと袋入りの箸を提供していたそのサービス精神を買って、ランキング第1位は「餃々(チャオチャオ)」に奉げたいと思う。

ということで第2位は「古屋」、そして第3位は「歓迎(ホワンヨン)」の羽根付き餃子とさせていただくことにしよう。

「歓迎」は東京蒲田の餃子激戦区で鍛えられた人気店。羽根付きのパリパリ餃子が人気の店だ。一口ではなくちゃんとした大きさの餃子が6個で300円と非常にリーズナブル。皮もしっとり歯ごたえがあり、ショウガが利いていて食感がさわやか。餃子の餡には15種の漢方入りのスープで練ったとあり、深い味わいがする。羽根付きという見栄えを捉えられがちだが、じつは中身で勝負の餃子なのである。

第4位は「華興(カコウ)」の華興餃子2個入り200円とさせていただく。パリパリ餃子に食傷したたまごやは、ここの餃子に感動した。小龍包を思わせるふっくらした外観と中身のジューシーさ、皮のしっかり感はパリパリ餃子には無い魅力がある。たまねぎをふんだんに使っているのか、さらさら血流をウリとしていたのがちょっと興ざめ。時代受けを狙うことより、かたくなに味を守ることのほうが今は大事なのだ。健康は後からついてくれば良い。

第5位は静岡勢の「石松」に奉げたい。モヤシを一緒に盛るのが静岡餃子。本店では普通のテフロンフライパンを使うのだが、ここ餃子スタジアムでは客をさばくため普通の餃子マシンを使っていた。これが敗因である。こんがり焼けた餃子を花形に丸く盛り真中にモヤシをトッピングして初めて石松餃子なのだ。しかしここで提供された餃子はパックに入ったつまらない普通の餃子。味はキャベツと豚肉だけのシンプルな味わいで悪くは無いのだが。是非静岡の本店にお邪魔したい店である。

番外としては、宇都宮餃子の集大成「来らっせ」。宇都宮餃子会に加盟する12店の餃子のうち、3店の餃子が2個づつ合計6個一皿で提供されるもので、時間帯と曜日によって内容が異なる。訪問日は火曜日の18時だったのだが、そのときの餃子は「夢餃子」「味一番」「めんめん」だった。味一番の餃子は四川風の味付けで特長があったが、他の餃子は似たりよったり。アイデアは面白いが、じっくり味わうには不向き。なんか落ち着かないので番外とさせていただく。

その他の店には、食べ歩きが楽しい揚げ餃子や、パイ生地を使った中華菓子タイプのもの、たこ焼き風の餃子や餃子サンドなどは変り種餃子といえるもので、こちらも番外とさせていただく。

ナンジャタウンのアトラクションも楽しいが、餃子だけで1日楽しめる餃子スタジアムは全天候型屋内テーマパークとしても手軽で面白い。各餃子店は多分入れ替わりも激しいと思うので、半年に一度はチェックしたいと思う。なくなりそうな店も大体目星が付いているし。

餃子スタジアム参加店
たまごやランキング:8月20日現在

第1位
・餃々(チャオチャオ)チャオチャオ餃子 8個 280円
第2位
・古屋(フルヤ)焼き餃子 16個入り 640円
第3位
・歓迎(ホワンヨン)焼き餃子(羽根付き餃子)6個入り 300円
第4位
・華興(カコウ)華興餃子2個入り 200円
第5位
・石松(イシマツ)海焼き餃子  6個 400円

番外
・宇都宮餃子“来らっせ”(3店盛り合わせ)6個入り 350円
・招福門(ショウフクモン)海老揚げ餃子4個入り 480円
・テムジン焼き餃子8個 390円
・上海酥餃房(シャンハイスーギョウボウ)焼酥餃3個入り
・吉鳳園 焼五種宮廷餃子 5個 500円
・のんほお 東餃子 4個 300円
・できたてほやほ屋 パク丸(揚げ) 6個 380円
・焼窯ベーカリー餃子サンド 1個 380円

餃子スタジアムオフィシャルホームページ

2002/09/01

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